病院での診断は、最初のとおりであった。
私の方は、何日もしないうちに腫れもひくだろうし、
たいした怪我では、なかった。
平田は、関西に帰ってからも、
しばらくは、治療を続けなければならない。
診察が終わったのは、12時を過ぎていた。
私は、とりあえず治療後、電話をすると言うZとの約束を
果たさなければならなかった。
Zは、すぐに電話に出た。
私たちは、品川プリンスホテルのラウンジで待ち合わせることになった。
私たちの方が先に着いた。
二十分くらいした後に、Zがやって来た。
今日は、濃い目のグレーのスーツである。
赤茶色のネクタイが、映えている。
いつものように、身に着けるものにはお金をかけている。
平田も私同様に170センチ近い身長がある。
一人は、左こめかみに湿布を貼り、
もう一人は、ムチウチ症のコルセットを首に巻いている大女の私たちを
Zは、すぐに見つけた。
まっすぐ近づいてくると、席に座るなり、尋ねた。
『大丈夫なの?』
『まぁ。』私は、それしか言えなかった。
彼の視線は、私の左こめかみに注がれた。
平田が、医者の診断を話した。
ランチを適当に注文した。
『今後のことだけど、僕が力になれることは、ないんだろうか。』
彼は、私に訊いた。
私は、昨夜、Aが誘ってくれたことを話した。
彼は、半分怒ったように強い調子で私に訴えた。
『あなたを、そんな訳のわからない会社で働かせることは、できない。』