私の友人の平田は、自分が熱をあげている男性に会いに行く
と喫茶店を出て行った。
平田は、その相手を彼氏を信じていたが、
それは、間違っていた。
彼女の勝手な思い込みであり、
彼は、彼女のことを、ただの単なる遊び相手として考えていなかったのだ。
それが、今回の旅で、はっきりした。
私は、品川プリンスホテルに戻り、
近くにある高輪プリンスホテルの庭を一人で歩き回った。
ちょっと、頭をすっきりさせたかった。
きれいに整えられた庭を、当てもなく、歩き回った。
彼が、何故、私にはっきりとした愛情表現をしないのか、
私には、わかりすぎるくらいにわかっていた。
私から、はっきりした答えを聞きたくないのだ。
彼が、恐れていることは、私と会えなくなること。
そして、それを正式に私から言い渡されるのが、
とても、いやなのだ。
そう、彼は、私が彼に対して恋愛感情を持っていないことを知っているのだ。
私が、彼に対して、どうすればいいのか。
一つは、彼から離れること。
もう一つは、彼が私に対して特別な感情を持つことがなくなるのを、
待つこと。
私は、すでに、決めていた。
こういう決め事は、とても、早い。
それを、どのように実行するか、問題は、それである。
気持ちは、本当に重かった。
私は、一人、近くのレストランで、夕食を取った。
彼と一緒に食べるよりも、気楽に食事が進んだ。
近くのお店を回り、ウィンドウショッピングをした。
少し、自分らしさを取り戻していた。
もし、東京に住むのであれば、自分の力でするべきなのだ。
愛情を取引にしては、いけない。
しかも、応えることのできない愛情である。
それは、私自身を束縛することに、つながる。
そんなことは、はじめから、わかっていたのだ。
今、東京に住めば、彼は、毎週、私に会いたがる。
前の轍は打っては、いけない。
散々、懲りているのだ。