バーテンダーの人たちは、グラスにお酒を注ぐときに、
グラスの底から、指一本分、指二本分を、
ワンフィンガー、ツーフィンガーと注文を受ける。
それとは、別に、女性の大事な部分の大きさや深さを表すときに、
ワンフィンガー、ツーフィンガーと表現するのだ。
『この女は、ワンフィンガーだ。』とか、『あの女は、ツーフィンガーだ。』
という具合である。
「花電車」については、ここでは、詳しく説明はしない。
「花電車」とは、電車をきれいな花で飾り、
お祭りなどで使う。
「花電車」は、見るだけで乗れない。
これが、ヒントである。
「花電車」は、だれでもが簡単に見れるものでは、ない。
それなりのルートが必要みたいである。
私には、そんなルートはないし、参加することは、できない。
私は、あくまで知識だけの人間である。
けれど、お金持ちで遊び人の彼が、そういう場所を訪れないはずはない。
ただの放蕩息子ではない。
彼の趣味趣向は、大体、わかる。
私が思っていた通りだった。
何度も言うが、彼が私に特別な感情さえ持っていなければ、
私たちは、いい友人になれた。
私は、彼の人間性にとても関心があったのだ。
彼だって、気楽に私に話をできただろう。
私も、彼から興味深い、いろいろな話が聞けたはずだ。
そんな人とめぐり合う機会は、そんなにたくさんないのだから。
何度も言うが、私が興味を抱いたのは、
彼の人間性である。