南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。
今回は、「南極を撮る!」と、言うお話です。
さまざまな極地や極限環境を深海探査機などを使って撮影してきた当研究室ですが、普段から特殊な機材ばかりを使っているわけではありません。
観測中などに撮影する記録用写真は、一般的なデジタルカメラを使用しています。
しかし、マリアナや南極に限らず、極地と呼ばれる場所は次にいつ行けるか分かりません。
そのため、通常の旅行の数倍はあるであろう、あらゆる機材を持って挑みます。
今回はそんな中から5~6年前に行った南極での撮影機材をご紹介します。
1.デジタル一眼レフ
良い写真が撮れそう!と言うイメージの通り、スマホなんかと比べ物にならないくらいイメージセンサーが大きいため、拡大してもノイジーにならない写真が撮れるのが魅力です。
また、F値の明るいレンズに交換できるため、オーロラの撮影などでは特に活躍します。
南極にはさまざまなメーカーかつ、さまざまなセンサーサイズの物を持って行きました。
Canon:EOS 6D、EOS 7D、EOS M3
SONY:α7s
OLYMPUS:E-PL6
しかし、全てを野外観測拠点に持ち込むことはできません。
そこで活躍するのがコンパクトデジタルカメラです。
2.コンデジ
コンデジの良いところはポケットに入るのに、広角から望遠までカバーできる点です。
デジタル一眼には劣りますがセンサーサイズもそれなりの大きさで、手軽にパッと片手で撮影できるのが魅力です。
最近は手振れ補正が強力なので歩きながらでも撮影できます。
Canon:PowerShot SX720HS、SX710HS
OLYMPUS:TG-4
3.ウェアラブルカメラ
小型・軽量なので水中ロボットや観測機器に付けて手軽に撮影できるのが魅力です。
当時はGoProに手振れ補正機能が無かったのが残念ですが、撮影した映像は観測隊員と同じ目線で南極の地をみれるので、講演会などでは大好評です。
4.スマートフォン
上記のカメラとはセンサーサイズが比較にならないほど小さいのと、南極は圏外なので携帯する意味がなく、あまり好んでは使っていませんでしたが、なんてことないスナップ写真などはスマホで撮ることがありました。
ASUS Zenfone、SHARP SH-101など。
ただ、基本的には目覚まし時計変わりでした。笑
そして、これらの機材で撮影した写真がコチラになります。
↑ 夕焼けのオーロラ
↑ グリーンフラッシュ
↑ 月夜の航海
↑ 吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度
↑ 月明かりでも輝く星空
5.実は・・・
フィルムカメラも持って行っていました。
デジタルカメラの0と1の世界ではなく、その場の光をフィルムに焼き付けるという現象を保存したくて持って行きましたが、忙しくて1回も使う余裕がありませんでした。
Canon:EOS 7s
前回の南極観測参加から既に5年近くが経過しているので、最近発売されたカメラを見ても性能が各段に向上しています。
次回、南極に行くときはどんな撮影機材を持って行くか?(機材更新する財力があるか?!)
EOS R7にするかR5にするか?はたまたα7Ⅳにするか?など、悩ましいけど、どんな技術的進化が見れるのか楽しみです。