南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。
近頃、「るるぶ 宇宙」が話題となっていますが、少し前には「深海ぴあ」も発売されていたことがあります。
そこで、「るるぶ 南極」や「ことりっぷ 南極」「南極ぴあ」みたいな情報誌あっても良いんじゃない?(ひょっとすると過去にあったのかもしれませんが・・・)
と、言うことで、「NANKYOKU Walker」と題して、国内で南極体験できる施設や実際の南極の見どころなどをご紹介する第3回目。(前回からかなり間が空いてしまいましたが・・・)
今回は国内で見られる歴代南極観測船をご紹介したいと思います。
現在の南極観測船「しらせ」は初代から数えて4代目。
初代は言わずと知れた「宗谷」、2代目は「ふじ」、3代目は「しらせ」、4代目が「しらせ(2代目)」で、1~3代目は保存・展示がされており、誰でも気軽に見に行くことが出来ます。
まずは初代だろ!と言う声も聞こえて来そうですが、ここでは新旧「しらせ」を比較しつつご紹介したいと思います。
3代目「しらせ」は千葉県船橋市の港で保存・展示されています。
サッポロビール
の工場に隣接しており、工場見学とセット見に行くことも可能です。

民間の気象予報会社・ウェザーニューズ社が教育と歴史保存などの社会貢献などの目的で保存してくださっています。
↑ 千葉の港に係留されている3代目南極観測船「しらせ」
船内もほぼ当時のままの姿を残しており、南極観測隊の様子を垣間見ることが出来ます。
↑ 3代目「しらせ」のブリッジ
↑こちらは隊員公室と言って、観測隊員がミーティングや食事をする場所
(上:旧しらせ/下:新しらせ)
観測隊員が食事をする場所は自衛隊員とは別になっていて、食器も違います。
自衛隊員の食事は通称・鉄板と言われる海上自衛隊でお馴染みのワンプレート
です。

↑ 自衛隊員と観測隊員で食器が異なる

(上:自衛隊員用/下:観測隊員用)
船内は部屋の構造や配置などは新旧とても似ていますが、一番の違いは寝室です。
「新しらせ」は基本的に二人部屋なのに対して、「旧しらせ」は4人部屋などもあります。
さらに、「旧しらせ」のベッドは、いわゆる、「ボンク」と言われる木製のスペースなのに対して、「新しらせ」は海上自衛隊の艦艇でお馴染みのスチール製のベッドになっています。
↑ 観測隊員の居室も新旧しらせで大きく様変わり
(上:旧しらせ/下:新しらせ)
そのほかの設備は概ね新旧で似通っているところがありますが、医務室などは設備が最新のものなので船内と言われないと一見しただけでは大きな病院かと思うほど立派です。
↑ 新旧しらせの医務室(上:旧船/下:新船)
このほかにも床屋やラボなど船内をグルっと見て回ることが出来ます。
↑ 写真上・中:旧しらせ/写真下:新しらせ
(腕に覚えのある隊員にお願いしてカットする・・・)
ここしばらくは流行病の影響で公開を自粛していますが、公開が再開された暁には、ぜひ、訪れてみて頂きたい場所の1つです!
↑ 2017年には新旧しらせの一般公開が行われた