日本最大の湖、琵琶湖。関西の人だけでなく全国的に存在を知らない人はいないであろう、この巨大な湖の最深部をまる裸にする研究が今年度からスタートしました。
滋賀県立大学を筆頭に、海洋研究開発機構(JAMSTEC)や東京海洋大学など複数の研究機関が参加し、琵琶湖の最深部に何があるのか?を、徹底的に明らかにする研究です。
琵琶湖の最深部は約100mなので、超深海の研究をやって来た我々からすると浅く感じますが、実はあまり最深部の調査は行われていませんでした。
そこで、今回の調査では最新の調査機器を使って琵琶湖の最深部の最新の状態を明らかにしようというのが狙いです。
滋賀県立大の調査船「はっさか」に音響ソナーを取り付け、正確な等深線図を作成し、広角ハイビジョンカメラを搭載した探査機で湖底の状況を捉えます。さらに、生物学、地質学的にも解明するため、最深部でのピンポイント採水や採泥を行い、微生物の生息状況や堆積物の年代などを解析します。
当研究室ではこれらの調査に使用する機器の開発を担当しています。今年度はソナーを使った湖盆図の作成を行い、来年度のロボット調査に向けた準備をします。ソナーは通常の魚群探知機と違い、湖底を面状に映し出すことのできる「サイド・スキャン・ソナー」を使います。
水中ロボットはリアルタイムでの映像確認やピンポイントでの採水・採泥が行える「ROV」を開発中で、南極湖沼調査でのノウハウが生かされたROVになる予定です。
関西に人にとっては貴重な水源である琵琶湖。この最深部がどんな状態になっているのか?今後の調査にご期待ください。