もう一度整理してみましょう。
読書感想文では、話のあらすじを相手に理解してもらう必要はないということです。自分の思ったことだけで構成して構わないのです。もっと言えば、1ページだけ読んで、そのうちの1節を切り出し、その断片から感想を組み立てたとしても感想文は成立するということです。あらすじが必要だとしても、、小説のプロローグから、エピローグまですべてを網羅して書く必要はないのです。感想に必要な部分だけを切り取ってしまえばいいわけです。
話の全体像を理解してもらう必要がないのですから、どんな話だったかという話をせず、自分がどう感じたか、どう考えたか、というところだけに集中してもよさそうです。しかも、自分の感想を書くので、自分が感じたということに対して、その感想は間違ってますという言う人もいないはずです。普通の人が感じない感想だったとしても、わたしはそう感じたんだから、と開き直っても大丈夫なのが感想文なのです。
その時に、そう思った理由をどれだけ書けるかで人への訴える力が変わってきます。「思った」で終わらず、「彼はどうしてそんなことをしたのだろう」「わたしならこうする」「彼はこうすれば良かったのに」、「わたしが遭遇した同じような場面」、「彼に対する感情と彼の行動の結びつき」、「わたしと彼の関係性」、「彼とわたしの似ているところ・違うところ」、「彼と一緒にいたらどんなことになるだろう」、一つの切り出した場面でも多くのことを考えることができるはずです。
「○○すればよかったのに」から発展させて、「どうしてできなかったのだろう」「わたしならできるだろうか」「行動を妨げていたものは何だろう」と深めることが可能です。「なぜ」という問いかけを一つ入れると一段階話が膨らみます。「なぜ」に対する答えがいくつも考えられるかもしれませんし、「なぜ」に関わっている別の登場人物がいるのなら、新たな「なぜ」を呼び起こすかもしれません。
いろんなテンプレートがあるかとは思いますが、どんなテンプレートを選んだとしても、一番大事な部分は本を読んだ感想なのですから、まずはその部分を書くことができれば、半分以上は仕上がったと思ってもよいのではないでしょうか。
やはり、作品を作るためには、構想を練る必要があります。原稿用紙と鉛筆を目の前に用意して、何を書こうかと悩む前に、真っ白な紙と鉛筆で自分の思いを図にしてみるという作業から始めた方が、ずっと効率的なように思います。