マルタは「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。」と訴えます。

マリアもまた「主よ、もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟はしななかったでしょうに。」と訴えます。

しかし、二人とも「生き返らせてほしい」とは願いません。

 

兄弟と元のように暮らすことを願ってもよさそうなものですが、そこが本当の願いではなかったのかもしれません。むしろ、二人にとって大切だったことはイエスさまがそばにいてくださることだったのです。

 

マリアはイエスさまが死ぬつもりだったことを感じとっていました。だからまだ一緒にいて欲しいと願い、香油をすべて注いでしまったのですが、もしかするとラザロが死んだとき、イエスさまの死も直感していたのかもしれません。マリアはイエスさまとともにいることをずっと願っていたのではないでしょうか。

 

マルタはイエスさまに「しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています。」と言います。しかしその一方で、「四日もたっていますから、もうにおいます」と言うのもマルタです。

マルタの願いもまた、イエスさまとともにいることではなかったのでしょうか。二人とも心の支えを求めていたのかも知れません。

 

これまでは兄弟ラザロだった。そして、これからはイエスさまなのだと主張していたのかも知れません。