人間がエネルギーを生み出すとしたら、どれくらい可能なものなのでしょう。
人力発電と言われてすぐ思いつくのは、手回しの発電機とか、自転車のダイナモでしょう。
自転車のダイナモだと1~3Wぐらいでしょうか。
時速15kmでこぎ続けて2W発電できると考えてみると、5時間15kmでこぎ続けて10Whです。
(このまますべてのエネルギーを使えるわけではないのですが、簡単のためにこのまま話を続けましょう)
前回のように、ジュールに変換すると、57600ジュール。
LED照明なら1時間弱、点けておけそうなエネルギーです。
とはいえ人間の8400000ジュールと比べると、約1/150しかありません。
普段その20倍のエネルギーを使っている人間にとってみれば、1/3000しか作り出すことができません。
自転車を何時間も漕いで、やっとこれくらいということだと何の役にも立たないのかと思ってしまいますが、
これが全く役に立たないかというと、そういうわけではありません。
エネルギーが手に入りにくい場面で、ちょっとだけ使いたいという状況があるので、
そういうところでうまく活用する工夫が必要なのです。
自転車のライトや、懐中電灯、ラジオなどがうまく活用できている事例なのだと思います。
使うエネルギーのすべてを、自力で賄おうとすることは到底無理なことなのですが、
自分で苦労して生み出したほんのわずかのエネルギーをうまく活用しようと考えることで、
いろいろなエネルギーの有効活用というところに結びつくのかもしれません。