今回紹介する『はつ恋』は、またしても邦画です。
この作品は2000年公開で、篠原哲雄監督、長澤雅彦脚本、田中麗奈主演。
脚本の長澤雅彦は、岩井俊二の『Love Letter』などの作品のプロデューサーということもあってか、似たようなモチーフが使われています。
「手紙」「時を超えて届けられる想い」「大切な人の知らない過去」「ちょっとした思いつきが起こす小さな奇跡」などなど。
僕は『はつ恋』のDVDを持っていて、年に一度くらいのペースで見たくなります。
毎回違うところに目が行き、新しい気づきがあります。
内容を知っていても、何度も見たくなる作品。
みなさんにもあるかと思います。
そんな僕にとって、年に一度再会しては、心を整理してくれる作品『はつ恋』を紹介します。
セリフなど記憶があいまいな箇所もありますが、お許しを。
17歳の聡夏の春休みはふたつの出来事からはじまった。
ひとつは、憧れの先輩に手紙を渡せないままの失恋。
もうひとつは、突然の母の入院。
そんなある日、母の古いオルゴールの中から一枚の写真と手紙を見つける聡夏。
「藤井真一路様…。あの願い桜の下でもう一度だけ会ってください…」
母が24年前に書いた手紙。出せなかった手紙。果たせなかった再会。封印された過去…。
聡夏は、母の想いを叶えようとひとり、初恋の相手である藤井真一路を探す旅に出る。
そのことが、聡夏の想いを超えて、それぞれの封印されていた過去を開け、止まっていた時間を動かしていく…。
聡夏に田中麗奈。
母の初恋の相手、藤木真一路に真田広之。
聡夏の母親、志津枝に原田美枝子。
聡夏の父親、奏仁に平田満。
聡夏を手助けするタクシー運転手に佐藤允。
【感想】
志津枝の封印していた過去を聡夏があけ、母の封印されていた物語を成就させようとする。
願い桜の下で再会してほしい。
愛の告白をしてほしいとかじゃなくて、叶えられなかった約束を果たしてほしい。
かつての恋人の藤木真一路は、娘の死から立ち直れず、妻は家を出ていき三年。
過去を封印し、逃げ続けるような生活を送っていた。
そんな藤木の封印した物語も聡夏はあけさせる。
聡夏のひたむきさは、藤木を一歩踏み出させる。
そして、母が娘に伝えたかったことがそのことだった。
「あのときがあるから今があるって思う時がきっとくる…。だから何かに迷って立ち止まった時、おそれずに前へ一歩踏み出してほしい。」
娘は母に「どうしてあの手紙出さなかったの?」たずね、母はこう答える。
「いまとなってはわからないけど、渡していたからといって別れてなかったとはいえない。後悔なんてしてない。あの時があるからあなたに会えた今があるんだから。」
母の封印されていた物語によって娘は成長した。
ラストシーンの聡夏の涙は、何度見てもグッとくる。
是非見てほしい。
あと平田満が不器用でやさしい父親を演じていて、すごく愛おしい。
みなさんが「あの時」大切だった人は今、どこで何をしているでしょうか?
みなさんが「今」大切な人は、どこで何をしていますか?
