「live tour'11~風光ル春の月夜に~」を振り返って③ | アンダーグラフ・スタッフダイアリー

「live tour'11~風光ル春の月夜に~」を振り返って③

巡る「季節」は「春」から「梅雨」を経て、暑い「夏」へ。


「雨バンド」の異名を持つ(?)だけあって、
雨にまつわる曲は、流石に多いのです。

その中から、彼らがセレクトしたのが、
「アンブレラ」「白い雨」
いずれも1st Album「ゼロへの調和」に収録された根強い人気を持つ曲達。

いつもはイントロで歓声があがるこの曲も、
「レインスティック」と呼ばれる、雨の音を擬似的に再現する谷口奈穂子の新アイテムの効果と、
今ライブ仕様のアレンジが、いつもの「アンブレラ」と違う凛とした空気で包みました。

エッジの効いた演奏の中に、優しい願いを込めた「白い雨」が降り続く。
「蒼いホシ その先にあるはずのムソウの未来」
昨年の仙台公演のみで(少しだけ)演奏されたこの曲は、Full ver.は本当に久々。

2ndブロック「梅雨」の締め括りは、「花天月地」のリード曲・・・「サンザシ」
真戸原が、昭和初期の日本女性、旬な言葉で言うなら「やまとなでしこ」の
心情を描き出し、切なさや強い心を、彼の言葉で紡ぐ音楽。

人形(パペット)で表現したビデオクリップの映像が
頭に浮かぶような鮮明な情景描写、想いを込めた歌声は、
このライブツアーの肝とも言える、太字のメッセージを内包しているのです。
(事実、福岡公演ではアンコールで再度「サンザシ」を演奏しています)

結果として、ステージ時間での「梅雨」の季節は、
「アンダーグラフ」の溢れる想いに感化され、雨の代わりに、多くの涙を誘ったのです。

降り続く涙・・・雨はいずれ必ず止みます。
雨が通り過ぎ、厚い雲の切れ間から差し込む太陽が「夏」を連れて来ます。
しかし「アンダーグラフ」の「夏」は、少しアプローチが違います。

・・・3rdブロック「夏」
湧き上がる雲や、拡がる空、照りつける太陽のイメージ、明るく爽快な季節。

その時季を迎える前に、彼らはノスタルジックで、壊れそうな、
そして、儚い一側面を敢えてぶつけてきました。

「夏影」

前曲「サンザシ」の「雨」のイメージを踏襲したまま、迎えた「夏」。
切ない音楽が多い、彼らの中でも、随一の郷愁感を持つ曲。
「明日になれば そう晴れるから」
完全に止んだ「雨」の向こうは、待ち焦がれた通りの季節。


拡がる空のイメージをそのまま汲んだ「五色の虹」 
2nd Album「素晴らしき日常」の1曲目は、柔らかく「夏」へと導きます。

ライブも、間奏では独特の手拍子に合わせて・・・
「もういっちょ!」「まだまだ!!」「最高!!!」
$アンダーグラフ・スタッフダイアリー
煽るメンバー達も、本当に楽しそう☆



・・・ワクワクする季節は、「赤」のイメージを持つ新曲「太陽維新」で、
賑やかにフィナーレ。

太古から繰り返される、スケールの大きな「夏」を連想させる、情熱的なアレンジ。
CDではアコースティックギターで表現された珠玉のギターソロも、
LIVE Ver.では、阿佐亮介がエレキギターで激弾き♪

こんな違いもライブならでは☆
この段階では、聴き馴染みの薄い楽曲の筈なのに、皆、自由に体を揺らしていました。


・・・そんな過ぎ行く「夏」を見送り、再び「雨」。
少し馴染みの薄い「秋霖」という季節を、会場は擬似体験していきます。



【続く】