勿論、楽しいからというわけではない。

ただ、溺れるものが恋か仕事しかない。毎日それを繰り返すだけというのが、あんまりに不安なだけで。

一生、叶うことのない恋をしているみたい。

音楽が好きなのに、音楽に満足したことがない。

歌うことが好きなのに、上手く歌えたことがない。

恋、というものが成立するには、好きの他に、必ずどこかに不完全燃焼な部分がある。それが本当なら、これは恋。一生、叶うことのない恋。

人の波に紛れて大阪の街を歩く。合わない靴にうんざりしている両の足引きずり

人の波の真ん中で、あらゆる物欲に駆られ

人の波の真ん中で、口を失くす。自分が誰なのか分からなくなる。

常に、きれいな存在でいなきゃ、と思うから

待って、と声をかけられる人を

探し求めている。

勿論、楽しいからというわけではない。特に理由はなくても、毎日は疲れる。

有り余るエネルギーが互いに干渉し合う街で

未来も現在位置も見失ってしまって。