ここは少しばかりの風がある。

真夜中の、緩い生暖かい風。

遠巻きに聞こえていた音楽も止んで

今はただただ風の音。

折りたたんだ膝の疲れと

それでも私は感情や衝動を

絶え間無く指先に注ぎ続けるけれど

そのことに何の意味もないことは知っている。

だから、私は幸せなんだろう、きっと。

ただ少し、目蓋の重たさを疑っているだけ。

こんなにも静かなこの場所でも

夜はたくさんの男女の呻き声が聞こえる。

共に淋しさを訴えかけて

やっと共有している。

その隙間には風俗ばっかりが

そしてその隙間にはお金とか物欲とかが犇いてる。

べつにいい。私はね。

そう言えるのは幸せだからかも知れない。

とりあえず今は少女。あくまでも少女。

甘い汁がどうしても必要みたいだ。

もう寝ようと思う。無け無しの明日を抱え込んで。