A君が今月末で退職することが決まった。
-会社の配慮により自己都合退職となった-
…そうだ。
どうやら「諭旨退職処分」ということらしい。
※諭旨退職処分
諭旨退職(「ゆしたいしょく」と読みます)とは、懲戒処分の種類の一つです。 懲戒処分の種類は、処分の軽い順に、訓戒、譴責、減給、出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇といったものがあります。 つまり、懲戒解雇より、『一段軽い』処分ということになります。 といった規定になっていることが多いようです。
本当におバカな男だった。
上司と一緒にA君の机周りを整理した。
デスクマットに敷き詰められた「ビックリマンチョコシール」。
チンピラ営業、アオキさん(45歳・独身)はこのシールが欲しいのか
「フリマサイトに出したら絶対売れるぜ」と
かなりしつこくシールの行方を追っていた。
隣の席とは言え、どう考えてもアオキさんに愛情が芽生えることなど
改めて有り得ないと確信したのも、またこの時だった。
彼の名刺…
仕事のために今までしたためてきた勉強ノート…
資格の認定証…
リコはこれらをただひたすらシュレッダーにかけた。
彼の荷物を整理する上司は
「あいつの相談には乗ってきたつもりだったんだがなぁ…」とため息をつきながら
ダンボールに彼の私物を放り投げ、悔しさをにじませていた。
卑劣な一瞬の行動により全てを失ったA君。
仕事…
仲間…
信頼…
1時間もすると今まで彼が座っていた席が
新しい住人を迎える態勢に生まれ変わった。
一瞬で人生は変わってしまうのだ。
それくらい”生”の一瞬はとてつもない力を持っている。
まるで夢のように、突如として職場から消えてしまったA君。
シュレッダーに刻まれていく彼の明日に向かって生きてきた証を
リコはただただ見つめるしかなかった。
◆その一瞬が命取り
いろいろ考えさせられた6月。
6/25はジュリーの69歳の誕生日でございます。
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