90年代にブラインドメロンというバンドがいました。
ファーストアルバム収録曲であるNoRainがMTVでヘビロテされ(当時本当にかかりまくってた)、大ヒットするという絶好のスタートを切った彼らであったが、個人的には「夢中にはならないな」程度の感想であったので、2ndが出た当初も、「ああ出たんだ、友達から借りよう」程度でした。
正直、その当時のオルタナティブシーンはとんでもなくワクワクするような型破りなバンドで溢れていたわけで、ブラインドメロンのようなアメリカンロックに近い音楽性よりも攻撃的で変わっているサウンドを求めていたんですね。(今から考えるとおかしな話ですが、若い頃はオーセンティックなモノを嫌うんですよね)
がしかし、彼らの2ndアルバム「SOUP」がとんでもなく素晴らしい怪物アルバムであったのです!
とにかく、自分達が好きな音楽全部ぶち込んでぐつぐつ煮込んだような、文字通りスープなアルバムであり、はっきり言ってあの時代にここまで時流を無視した上で挑戦的であり、ロックとして純度の高いアルバムを作った事は、どこから見てもパンクそのものであり、唯一無二でした。
まあ、当の本人達はそういった評価などは全く眼中になかったというか、そんなの考えていたらこんなもの作れないくらい奇跡的なバランスでなりたっている産物なので、素直にただただ続く素晴らしい名曲に身を委ねるのが正解でしょう。
歌詞は、非常に内向的なモノが多く、当時ドラッグ中毒を治療していたシャノンの葛藤を色濃く反映したものであるが、それらも含めて、フレーズの言い回しや楽曲のアレンジにとにかく儚さと賑やかさが同居した泣き笑いのような空気があり、アルバムを聴いてゆくにつれ白昼夢を見ているような感覚に襲われます。
演奏面では、ツインギターの絡みが特に素晴らしい。楽曲の中に溶け込みながら、ここまでギター同士の絡み合いを気持ち良く聴かせることができたのは、素直に二人のギタリストの努力の賜物でしょう。
このロック史に残る大名盤である「SOUP」でありますが、アメリカのお馬鹿な大衆にはあまり受けず、メンバー達はひどく落ち込んだそうです。
その後、シャノンはツアー中にドラッグのオーバードーズで他界してしまい、その早すぎる死は、いまだに世界中で多くのファンから惜しまれ続けています。
とにかくこのアルバムを聴いた事がない方、必ずいつか聴いてみて下さい。
私は、大切な人や友人にちょっとしたギフトをあげる時、このアルバムを選んでいます。