摩珠
自分の部屋に戻ったら中々外には出ることはない。
唯一外に出たいと思う時は家の近所にある自動販売機にドリンクを買いに行く時くらいだ。
俺はいつもドリンクを買う時はそこでしか買わなかった。
そいつはいつもどんなコインでも俺にドリンクを与えてくれた。
俺はそいつを求めていたしそいつも俺を求めてくれているんだと思ってたし疑うこともなかった。
一円玉でも硬貨じゃないコインでもそいつはドリンクのボタンを光らせてくれたから。
でも別れは突然やってきたんだ。
いつものように俺の一円玉をインサートしたが何も反応しないどころか一円玉を返してきやがった。
俺が何でなのかそいつに問いただしてたら、変な男が近づいてきて俺をぶん殴ったんだ。
自動販売機と俺は別れを告げたんだ。
120円ぴったり入れないと何も反応しなくなった。
一円玉でたまに三本くらいドリンクをくれる事もあったがそれもなくなった。
つまり、そいつは他のもっと裕福でそいつを支えてくれる成金野郎に鞍替えしたってわけだ。
だから俺もそいつに別れを告げてやったんだ。
一夏の思い出になったって訳さ。
この話とは全く関係ないけど、この世界に無知だった俺にバンドの事や音楽関係、根性論とかその他諸々教えてくれた大先輩雅さんと写真を撮らせて頂いた。
当時は苦労したし辛い時もあったけど、あの時代がなかったら今の俺は存在してなかったと思う。
摩珠
ちなみにFacebookなんかやってないぜ。
E'mはライブ本数少ないからさ、来れる人は悔いのないように楽しんで欲しいと思うぜ?
ま