箱根駅伝の非情さが好きだ(2)
大きく順位を落とすことを大ブレーキというが、理学療法士によれば、大ブレーキを掛けた選手に対する風当たりにはすさまじいものがあるそうだ。
部内や学内からの批判はそうでもないそうだが、OBの「みっともない試合しやがって」という突き上げはすさまじいものがあり、退学してしまう選手もいるほどだという。
走行する選手の前は2台の白バイが先導しているが、後ろにも白いセダンがついている。
中継車ではないし、これは何かというと、なんと監督が乗っているのだそうだ。
20キロを監督に見張られながら走る選手と、選手のトラブルやアクシデントに備える監督には、双方にかなりの緊張があるに違いない。
熱戦のすえ10位までに入った大学は、来年の大会にも無条件で出られるが、11位以下は「予選会」で11~20位までに入らなければ、次大会には出場できない。
予選会は東京・立川の昭和記念公園で、地味に行なわれている(以前は大井埠頭だったそうだ)。
また各大学とは別に、個人成績は上位であるものの大学は出場できなかった選手から選抜された「学連選抜」というチームがある。去年まではレース順位に入らない透明人間のような存在だったが、今年から順位に算入されるようになった。
だから万が一選抜チームが10位以内のシード枠に入ってしまうと、選抜チームそのものはシード扱いにならず(必ず出場できるから)、次年の大会のシード校を1校増やして対応することになり、合計21チームで競技を行なうことにある。
こういうところはやけに律儀で、それが6区スタートや10区スタートのアバウトさと同居しているところが、どうにも魅力的なのだ。
しかし学連選抜チームは、今年20校中の最下位だった。
エース級を集めたチームが最下位に終わったことは、4番バッターばかりを集めた巨人が最下位に終わったことと、妙に符合するのが妙味だ。
やはりチームプレイとは、そういうものなのだろうか。
実力的には、個人成績でもチーム成績でも順大が優勝して当然というぐらい頭ひとつ抜きん出ているそうだが、しかし順大は呪われた大学ともいわれるぐらいに実際のレースでは、トラブルに見舞われつづける。
たとえば昨年は、7区まで1位をキープしていながら8区難波の脱水症状という大ブレーキで、4位に終わった。
他にも京浜急行や箱根登山鉄道の踏切につかまったり、実に見所満載のレースである。