刑務所考
私は刑務所に行ったことがないけれども、報道される範囲内でも容易に想像できることがある。
刑務所不足で、とんでもなく「過密」であるということだ。
3人の房に5人が入る。独房に2人が入る。
ベッドの上に棚のようなベッドを作って、だ。
独房なんて、2畳もあればいいのではないか。
そこに成人男子が2人だ。
それはどう考えても、刑罰の域を超えている。
司法行政の怠慢だ。
香港は、啓徳国際空港の跡地を、ボーリング場にした。
ならば日本は関西国際空港を、刑務所にしてしまえばいい。
どうせ赤字ばっかり出しているのだ。
海上だから、警備は簡単になるだろう。
陸地への交通手段も完備されているから、職員は容易に通勤できる。
いいことづくめだ。
ニッポンのアルカトラズ。
それぐらいアクロバティックな政策があってもいい。
ところで、全国の刑務所で暴動騒ぎが起き出してから、政府はようやく刑務所の新設に本腰を入れだしたようだ。約半世紀ぶりのことである。
この騒ぎが表面化する前は、法務省は「刑務所を新設する予定はない」と言い続けていたのだから、いかに受刑者の人権が軽んじられているかというものだ。
全国の自治体も、職員の居住による税収増や地域経済の活性化に期待して、刑務所誘致にかなり乗り気のようだ。
これには、脱獄や脱獄囚による凶悪犯罪が日本ではまず起きないことが背景にあるとみられる。
近所に墓場や火葬場があると土地の値段が下がるというので、これらは建設自体が忌み嫌われ、よく地元住民との間でトラブルになったりもするが、刑務所はどうやらそうではないようで、私は少し驚いている。