平成16年9月29日(水) 判決・前編 | ||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ||

平成16年9月29日(水) 判決・前編

 10時、留置場から出され、荷物を持たされた上で、裁判所に護送。
 返された荷物は、自分で持てという。
 荷物を手錠の腕に持つ。白いゴミ袋に入れられたノートパソコンが重い。

 警察署の裏庭から、個別護送用のワゴン車に乗せられる。

 中年と若手の2人の警察官は、普段はパトカーに乗っているそうだが、当番ではないとき、このように裁判所への護送係も務める。いわゆる人手不足だ。


 裁判所の裏口から入ると、すぐ脇に拘置所の刑務官が待機する一角がある。
 冷めた視線と大きな態度で周囲を威圧する彼らの脇を抜け、進んでゆく。


 すると1階の外国人用待合部屋で、中国人の○ちゃんが手錠のままマンガを読んでいた(外国人は扱いが違うようだ)。

 向こうが先に気づき、両手錠の腕を上げ挨拶してきたので、私は驚き、少し戻っておー! と両手錠を上げ応じると、護送警察官にそんなのいいから! と腰縄を引かれた。

 2階、刑事法廷裏の廊下の長いすに、警察官に両側を挟まれて座る。

 目の前を、○ちゃんが拘置所の刑務官に引かれて、法廷に入っていった。

 なんという偶然だろう。彼と私の判決は、前後だったのだ。

 

 5分後、ガチガチに顔をこわばらせた○ちゃんが、私の前を通り過ぎるとき「どうだった?」と聞くと、顔を引きつらせたまま一瞬考え、「しっこうゆうよ」と答えた。

 瞬間、おいしゃべるな! と刑務官が彼の手錠を引き、彼は引っ立てられていった。

 

 次が私の番だった。

 

 法廷に腰縄手錠のまま入ると、思った以上に傍聴人の数が多い。

 中には、被害者の姿もあった。

 

 「判決を言い渡すから、被告人はその台の前に立つように」。

 私の手錠が外されると裁判長が言い、私は証言台の前に立った。

 手錠を外した警察官2人は、そのまま私のうしろの長いすに座る。

 

 傍聴席から突き刺さる視線が痛い。母親の姿もある。

 

 「判決。主文、被告人を懲役1年6月に処する。未決勾留日数中70日をその刑に算入する」。

 生まれて初めて、歯ぐきまで血が引くのがわかった。

 顔はきっと、真っ青に青ざめていたことだろう。

 

 目の前が、暗くなった。

 

                                                 (明日につづく)