平成16年7月27日(火) 勾留78日目
朝から大騒ぎがあった。
他房の自称右翼が、何を気に食わないのか大声で怒鳴り、ドアを蹴り、騒いだのだ。
副署長(ハゲ)がすっとんできて、「どうした!」と大声で割って入ったが、「どうしたじゃねえ! この野郎!」と、まるで収まる気配がない。
場内は静まり返って事の次第に聞き耳を立てていたが、私は(やれ!やれ!)という意味を込めて、ピューピューと口笛を吹いていたら、「やめろよ、口笛なんか」と保険金詐欺にたしなめられた。
次に、誰が言ったか分からないように便所のほうを向き、「ひっこめハゲ」「うるせーハゲ」「ひっこめハゲ」と繰り返していたら、副署長は「警告する! 警告する!」と意味不明なことを言って、帰ってしまった。
留置管理課長が来て、「誰だ? 今言ったの!」と怒り、私は無視していたのだが、保険金詐欺が「111番です」とバラしてしまい、課長に「そういうこと言うんじゃ、俺だって考えちゃうよ!」と、しばらく怒られた。
課長が行ったあと、バラすことないじゃないですかと腹立ち紛れに保険金詐欺に言ったら、「バカヤロー! 俺が言ったと思われるじゃねえか!」と、逆ギレされ、私はふてくされた。
【過去の過ちを振り返って】
こういうチクリは、「チンコロ」と呼ばれ、忌み嫌われる。
拘置所や刑務所では、刑務官の追及には全員でシラを切りとおすのが仁義であって、チンコロをする人間は、イジメの対象になるのだと後から聞いた。
「留置成績」なるものは存在するらしいが、量刑にはさして影響はない。
ちなみに課長の言った、「俺だって考えちゃうよ!」は、警察官がよく使う脅しだ。
看守がそう言った場合には、「検事に報告して刑を重くしてもらう」という意味になるし、刑事がそういった場合には、「情状を悪くして調書を作成する」というような意味になる。
街中で、制服警察官が顔をしかめれば、一般人はすいません! と平身低頭して恐縮する。
強権をチラつかせて事を運ぼうとするのは、どう考えてもフェアではない。
だから警察は、嫌われるのだ。