平成16年7月22日(木) 勾留73日目
「これ先にやんなかったら、ただでさえ人足りないのに、どんどんあとがつかえちゃうじゃないですか!」
看守台の上で、53歳の巡査部長が、若い巡査長に突っかかられている。
今日の主任は、トロいのだ。
調べの刑事が席を外したときに、話し相手をしてくれた刑事は、最近まで看守だったそうだ。
この人にその主任の話を聞いてみると、「いい人なんだけど、トロくてなぁ。ほかの人に迷惑が掛かっちゃう」ということだった。
保険金詐欺が言うにはこの刑事は看守時代、年中早く異動したいと愚痴をこぼしていたそうだ。
留置管理業務は、警察官が嫌う業務のひとつだ。
「留置場なんて、ロクでもない奴ばっかり入ってるんだから!」と言っていたが、それはそうだろう。
だいいち、男が男の世話をして、楽しいはずがない。
しかし私は、この人がいいおっさん看守が、好きなのである。
保険金詐欺が聞き出したところによれば、「新しい仕事覚えるのは大変だから、定年まで看守がいい」と言っていたそうだ。
「俺なんて大量動員のときドサクサに紛れて入ったけど、今だったらまず入れないよ」と、本人はどこまでも弱気だ。
【過去の過ちを振り返って】
男の世話で思い出したが、女性房と少年房は、壁を隔てて反対側に設置されている。
女性の被留置者の入浴時の監視は女性警察官がやり、房の出入り時の身体検査はなく(ここの看守は男しかいない)、房にはゴミ箱があり、使用済み生理用品はゴミ袋のまま差し出されるということである。
ちなみに、房内でのブラジャーの使用はできない(自殺防止のため)。