平成16年7月9日(金) 勾留60日目 | ||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ||

平成16年7月9日(金) 勾留60日目

 ついに勾留2か月を超えた。

 1か月目は不安との闘いだったが、2か月目は退屈との闘いだ。

 

 朝飯のあと、中国人とガーナ人が喧嘩をした。

 中国人が水をこぼしたのを拭かずにいたところ、ガーナ人が「stupid , ワカル? アナタバカ」と言って、仲が険悪になったのだ。

 

 中国人は黒人に偏見を持っているようで、ガーナ人も中国人全般が嫌いだ。

 先行き心配である。

 


 【 火の粉  】

 

 私は先日上告が棄却された和歌山カレー事件を、欠陥裁判だと言った。

 最近になって、以前も取り上げた「火の粉」を読み返していたら、冒頭部分から、和歌山カレー事件に密接に関連する文章があった。

 特に3つめの文章は、友人夫婦を町民、撲殺をヒ素混入に置き換えれば、これはもうこのまま、カレー事件の批評として通用する。

 

 気をつけなければならないのは、メディアが作り出すヒステリックな正義だ。被害者にも加害者にも会ったことがない何千万という人間がメディアを介して、世論という凶器を被告人の喉元に突きつける。

 

 それでも検察は力業で起訴まで持ち込んだ。司法のベルトコンベアに載せてしまえば、あとは九十九.九パーセントの精度で有罪にしてくれる。不良品は千個に一個しか出ない。彼らがその神話を頼りにしていたかどうかは知らないが、少なくとも、何とかなるだろうという甘えたところはあったはずだ。

衝動殺人。検察側はそう主張する。金の貸し借りなどのトラブルもなかった友人夫婦を撲殺したというのだから、動機としてはそういうところに落ち着かざるを得ないのだろう。しかしそうであるなら、衝撃を生むほどのマグマが武内に隠されていたという事実を、検察側は全力を挙げて明らかにしてみせなければならなかった。


 【 雫井 脩介 】

 

 雫井脩介を評価するのは難しい。

 東野圭吾ファンでもある私は、本格(推理)かなと思って読み進めていたのだが、そういうわけではない。

 じゃあ人間の闇の部分をひたすら書き述べた、馳星周に代表されるノワールかというと、そういうわけでもない。

 エンターテイメント小説とくくるのは、あまりに拙速すぎて、かくして犯罪小説、クライムノベルといった、なんだかよくわからないジャンルで呼ばれたりもする。

 要するに評価は人それぞれなのだが、「読み出したらやめられない」「グイグイ読み進めてしまう」という、かなりの読書好きをも引き付ける圧倒的な力(リーダビリティというらしい、きっと訳語がないのだろう)は、驚嘆するしかない。

 ちなみに私は文庫新品を800円出して買ったが、読み終わったあと、「3,000円出しても惜しくないかも」と思った。