平成16年7月5日(月) 勾留56日目
中国人は25歳、住居侵入での逮捕。
パン工場でのバイト帰り、スーパーで見かけた美人にひとめぼれしてしまい、あとをつけて、ベランダに潜んでいたところ、隣室の住人に通報されたのだ。サイレンを鳴らさずにパトカーが来て、気がついて逃げようとしたところ、警棒を抜いた警察官に、はさみうちにされたのだという。
「男の声がしたから、そのうちやると思った」と言っていて、保険金詐欺が大笑いしていた。
着の身着のままで、服を持っておらず、Tシャツ1枚とパンツ1枚、ズボン1本を留置から拝借していた。
所持金もほとんどなし、その日銀行から1万円おろしていたのだが、風俗で使ってしまったのだという。
【過去の過ちを振り返って】
現行犯逮捕のような人間は、当たり前だが着替えなどを持っていない。
そういう場合は、着衣を留置場から拝借することになるが、それにはマジックで「マル留」と書かれていて、まるでトメさんという人の持ち物のようである。
パンツまで含めて借りることになるが、なんとも気持ちの悪い話だ。
【 TOSHI その2 】
それまでの不自然な生き方、感じ方から自己不全感に悩む人が、あることをきっかけに、まるで別人のようになることがある。
それこそまるで宗教にはまったか、誰かに洗脳されたかのように見えることもあるが、それはおそらく原体験による自分の誤った思い込み像が破壊されただけで、本質的には自分の力だ(もちろん本当に宗教や洗脳による場合もあるが、事件の背景を見ると、TOSHIの場合はどうやらそうではないらしい)。
例えれば、一方に大きく振り切っていた振り子が、今度は反対側に振り切っているような状態で、私は貴乃花も、その可能性が大きいのではないかと考えている。
たかだか15歳ぐらいから、父親を師匠、母親をおかみさんと呼ぶような世界で、親に対する健全な甘えも許されない環境で、人間がまともに育つとは思えない。
また本当に、家族関係の中ではいちばんの目下である貴乃花が、両親や兄にいいようにあしらわれてきた背景もあるのかもしれない。
その過程で貴乃花には、ある思い込みが形成されてしまった可能性があって、今はその自分の過去も含めて否定したいような状態なのではないか。
これは新たな自分を獲得するために必要な新しい行動でもあるから、それまでの古い人間関係と確執を生じるのは仕方のないことでもあるし、周囲から見れば、まるで本人が別人に変わってしまったかのように映ることもある。
極端から極端への移行だからそう見えるのであるが、本人の精神的成長につれ、いずれ振り子の振幅の幅は小さくなり、それとともに、起こっている問題も沈静化していくだろう(おそらく10年単位の時間が必要だろうが)。
貴乃花にしてもTOSHIにしても、遠く離れたところにいる一般人からは、彼らの個人的な自分との戦いを、静かに見守っているのが、いちばんの得策であり、また思いやりであるように思う。