前節はアウェイで、昨シーズン1度も勝てなかったSAGAWA SHIGA FCを相手に貴重な得点を守り抜き撃破に成功した長野。
今度はホームで、同じく昨シーズン未勝利の難敵を迎撃する。
ゲーム開始直後から佐川印刷は深く下がり、傍から見ても崩すのに容易では無い事が解る。
誰が言ったか「定置網」。的を射た表現である。
そして長野の攻撃により危険な状況になると、選手間での指示伝達により危険の芽を摘んでいく。
センターバック、中盤それぞれに戦術眼のある選手がいるのでプレーが途切れると間髪入れずに修正を促す声が飛び交う。
攻撃は、ひたすら裏を狙い続けるFWに脅威を感じた。スピードで勝負させると厄介な飛び道具だ。
「佐川印刷は本当に手強いな。」
「いいチームだよほんとに。」
勝負の後半戦。
佐藤と田中恵太、前線の藤井と松尾を交代して、激しく佐川印刷に迫る。
問題のシーンは後半戦も終盤に差し掛かろうかという時間帯に起きた。
3人に囲まれながらも、宇野沢がシュートを放つ。
放たれたシュートのコースは最高だったし、これは入ったと思った。
ところがボールはネットの後ろを転がっていった。
「え?外れたの?」
「でも選手たち喜んでるし・・・」
主審はゴールインを示していた。待望のゴールだ。
「入ったのかよ!」
「よっしゃーー!」
ところが、なぜかゴールを取り消すといった流れに選手たちは猛抗議。
宇野澤は「やってらんねえよ、引き上げだ」と言わんばかりのジェスチャーで怒り心頭。
線審がコーナーキックでリスタートを促すと、今度は松尾が激しく突っかかる。
スタンドからも抗議の声が飛ぶ。
「おい主審!一度ゴール判定した後に覆すなんて聞いた事ないぞ!」
「どっちなんだ!」
長い中断の後、やはりゴールの判定となる。
ゴールネットに穴が開いていたようで、そこを綺麗にシュートが通過したと言う事らしいが、とんでもない精度だ
長い中断の後、再びゲームは動き出す。
「さあ集中していこう!」
「もう1回やりなおそう!」
こういう時間は、どうしてもバタバタしやすいので集中を促すが危険な時間帯はやってきた。
右サイドからのセットプレーを綺麗にアタマで流し込まれ失点。
いつものように、いつものような時間に同点弾を喰らいため息に包まれるスタジアム。
それでも選手の中には下を向く選手はおらず、前を向いて、もう1点獲るためにリスタートをした。
以前までの長野とは違う。最後まで戦えるチームに進化していた。
「よし!それでいい!行け!」
「ガンガン行けよ!」
勝ち越し点は、そんな諦めず喰らいついていく姿勢がもたらした。
2010年シーズンのアウェイJSC戦、ロスタイムの勝ち越しを思い起こさせるような幕切れであった。
向から田中恵太、最後は松尾が押し込んで勝ち越しに成功。
スタジアム全体が揺れているのではと思えるほどスタンドは大爆発。
あのスタジアムの空気、ヴァイブレーションは忘れられないだろう。
紙一重のゲームを乗り越えて、チームもサポーターも進化していくのだ。
危なげなく勝てるほど甘くはない。たまにはこんなフットボールが盛り上がる要素が詰まった危険なゲームも歓迎しようじゃないか。
強くなるために。
本日のポイント
●選手間での指示が多い佐川印刷
●復帰したCB大島の安定感と貫録
●前代未聞の珍事件
●「レフリー!フェアジャッジ プリーズ!」と挨拶したら笑顔で答えてくれた主審佐伯さん。ほんとにフェアジャッジだった。アレ以外は。
チケットの査定「今日のチケットおいくら?」
査定士 taketo
・入場料 1000円
・非常に暑く脱水症状で足がつった -100円
・印刷から初得点!宇野沢のゴールネットを突き破るシュート +500円
・その突き破るシュートの映像をすぐUPしたHINCHADA NAGANO、R32さん +200円
・そのゴールに対して優柔不断な主審のジャッジ -300円
・いつもどうり終盤右サイドから崩され失点 -300円
・しかし今回は後半45分泥臭く松尾が決勝ゴール +500円
・そして暫定首位! +500円
今日の査定 2000円
査定士 大
・堅すぎるゼ、密集プリントディフェンス +200円
・そしてミスのない印刷選手 +100円
・そんな中でも、今回はいろいろ工夫していたパルセイロ +200円
・体力勝負が見えてきた後半 +100円
・宇野澤の華麗なボレーシュートがゴールゲット! +500円
・誤審?珍事? 大騒動 +1000円
・のこり5分 最悪の失点 -500円
・しかし元気出す選手たち +300円
・恵太、昇悟の逆転ゴール! +1000円
・会場のみんなの笑顔笑顔 +500円
今日の査定 2400円