六歳の息子・遊太は、ママが作ったおはなしを聞くのが大好きだ。
娘時代から、おはなしを作るのが好きだったママは、ノートに書き留めたおはなしや思いついたおはなしを遊太に話して聞かせるのだ。
「星に伝えて」 「きょうりゅうのタネ」 「モグラのねぐら」 「大地のえくぼ」など、ちょっぴり大切なことを織り込んで、小さな遊太の想像力をかき立てるような素敵なおはなしが展開していく。
そんな環境で育った遊太は、とても豊かな感性を持っていて、パパが発した「湯冷め」という言葉から「サメのいる海」というお話が遊太の頭の中で始まる。
「湯冷め(ユザメ)」というサメと、サメを捕るのが上手だったひいおじいちゃん。
お風呂でしわしわになった指を見て、老人の顔を思い描く発想など、とても可愛らしく、思わず文字を追う顔が緩んでしまう。
小さなお子さんを持つお母さんにぜひ読んで欲しいなと思いました。
ママと遊太のやりとりに昔を思い出しました。(笑)
ワタシはこんな素敵なママではなかったけれど、子供が一つずつ何かを覚えて育っていく様は、そのときにしか見られないものなので、貴重だったな~と懐かしく、もっとよく見ておけば良かったとちょっぴり後悔しています。
心がほっこりとする一冊でした。
