漫画家を目指す主人公は、何度も作品を出版社に持ち込むものの一向に芽が出ないままでいる。
そんな彼はある日、見知らぬ女の子にデートを申し込まれ、一日中連れ回されてしまう。
彼女の名前は詩羽(しいは)。
詩羽は住むところも無く、お金も持たない。
人に親切にしてお金を貰い、泊めて貰い、食べさせて貰う。
親切を押しつけるのではなく、彼女のひらめきが店を繁栄に導いたり、ちょっとしたヒントを与えることで、その人の人生が良い方向に動いたりするのだ。
そんな詩羽に人々は心から感謝して、彼女の生活を支えているのだ。
読み始めて、この詩羽という不思議で魅力的な女の子に引きつけられ面白いと思いました。
でも物語は、どうも脱線していったような気がします。
物語の中に出てくる漫画の内容に一本の小説くらいのストーリー性があり、詩羽というヒロインが食われてしまったような気がしましたし、作品がだんだん作者の自己陶酔に入っているように思えて、クライマックスのはずなのに妙に冷めてしまっていました。
作者自身、そういうのを否定するような記述があったので、余計に引っかかり、アナタもそうでしょ?と突っ込んでいました。(* ̄∇ ̄*)>
素材が面白いので少し残念でした。
