時代は私たちが子供時代を過ごした60年代よりももう少し前だと思う。
 
小学四年生の少年たちは社宅で暮らしていた。
 
秘密基地を作り、川で泳ぎ、釣りや肝だめしをして、一日があっという間に過ぎていた。
 
うっかり火事を出してしまったり、ケガをしたり、失敗もたくさんしたけれど、かけがえのないひとときだった。
 
二十年以上時が過ぎて、他の記憶があやふやになっても、社宅で過ごしたあの町での記憶だけは鮮明で、その時の友達の顔も曖昧だが、あの町は記憶の中にあるだけでいいのだと主人公は思うのである。
 
異常な暑さや熱中症や、屋内の清潔な人工砂の砂場など存在しない昭和の昔、太陽の下が、自然が子ども達の楽園だった。
 
BGMは井上陽水さんの「少年時代」。(笑)
 
真っ黒な肌に真っ白い歯をニッと見せて笑う子供たちの顔が見えるようでした。
 
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