ワタクシ、ウッカリしておりまして「森博嗣さんの本」と思って借りて来ましたら、別人の作品でしたあせる
 
読み始めるまで気付かない徹底したウッカリでして「あれあれ・・・いつもの森先生の感じと違うわー」と表紙を見直したら「森巣博さんの本」でした。
 
初めて読む作家さんでして、すぐに著者紹介を拝見しました。
 
『世界中の賭場を攻める国際博奕打ち、兼業作家。94年度全豪牌九選手権者』w( ̄▽ ̄;)wワオッ!!
 
なんやねん、この肩書き!!
 
タダモノでは無いなと思いながら読み進めるうち、ギャンブルの専門用語が全く理解できず「面白くない」と一度閉じた本でした。
 
が、やはり先が気になってしまい、とうとう読み終えてしまいました・・・>┼○ バタッ
 
 
 
ワタクシ、ギャンブルという類のものを一切たしなみません。
 
宝くじをギャンブルの仲間に入れるなら、宝くじ一枚買ったこともありません。
 
買ってもいないくせに、あわよくば当選してやろうと思っている不届き者です。
 
パチンコ店には若い頃入ったことはあります。したこともありますが、それっきりしたいとも店内に入りたいとも思ったことがありません。
 
 
ヒロインの加納涼子も私のようにギャンブルとは無縁の環境にいる二十七歳のOL。
 
神田神保町の中央春秋社という出版社に勤務している。
 
取材で足を踏み入れた「裏社会」。
 
そこにはギャンブルで命の駆け引きをしながら生き、死んでいく者たちがいた。
 
「奇人・変人・異人列伝」・・・涼子が立ち上げた、この企画で「裏社会」で生き抜く人々の中にいるはずの伝説のプロ車券師「森・小泉」に近付くべく、涼子は彼らを知る人を訪ねて「裏社会」に足を踏み入れて行く。
 
そうして知り合った森山道(とおる)は、非合法の賭博を生業としている。
 
その道のプロだ。
 
勝つか負けるかが死ぬか生きるかまで支配してしまう世界で生きている。
 
涼子は彼が身体を壊して死にかけて病院に運ばれたときに世話をしたのをきっかけに、親ほども年の違う森山道に惹かれ、彼もまた涼子に惹かれていく。
 
潜入取材という名目であるが、確実に賭博の魔力に取り憑かれていく涼子。
 
一方で森山道は、ある殺人事件を入院中の病院で知り、涼子に頼んで事件の背景を探っていく。
 
団塊の世代の彼らは若い頃、学生運動の中にあり、内ゲバの兵士として戦っていた。
 
小さな組織だったが、幹部がいて兵士がいた。
 
森山道は幹部の命令に従い、兵士仲間と指示された相手を襲撃、相手は死んだ。
 
どこの誰だったのかもわからない。
 
しかし彼らは正義のもとに役割を果たしたのだ。
 
そこから始まった地獄。
 
森山道同様、仲間たちも「裏社会」で細々と生きるしか無かった。
 
殺人事件の被害者は当時の兵士の一人だった。
 
幹部だった吉崎は、今や霞ヶ関の官僚である。
 
調べていくうちに事件の全貌が明かになっていく。
 
森山道は仲間の小城稔の死体を遺棄した男を殺め、その小笠原という男から小城を殺したのは吉崎だと聞かされる。
 
小城は吉崎から金を貰っていた。恐喝していたのだ。
 
その上、吉崎の家庭を崩壊させようとしたために消されたのだ。
 
全てを知った森山道は吉崎に殺意を抱く。
 
そして森山道が三十年引きずっていた恋の記憶が残酷な形になって、彼を地獄へ導いていくのである。
 
 
 
読み終えても、やっぱりギャンブルのくだりはさっぱりわかりませんでしたが、ハマると怖いなというのはよくわかりました。まったく麻薬のような・・・。
 
それでも途中で読むのをやめなくて良かったなと思えました。
 
以前に読んだ本でも内ゲバとか反革命分子とか過激派とか、平和なはずの日本にはおよそ考えられないような言葉が飛び出し、ごく普通の若者が呆気なく殺されていく話がありましたが、何がそこまで若者を駆り立てていたのか、何度考えても私の世代では理解に苦しむところです。
 
最後にこの本の各章のタイトルが、とても印象に残ったので覚え書き。
 
第一章 吹き寄せられし芥(ゴミ)の群れ
 
第二章 墓石(いし)に血を吐く しだれ梅
 
第三章 (夏帽子)影踏む きみの脚白く
 
第四章 (のたうって)蚯蚓(みみず)そのまま乾きけり
 
第五章 (わっぱ飯)餓鬼となる身の門出かな
 
・・・詩人だねぇ・・・←そんな感想?(* ̄∇ ̄*)>
 
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