「パレ・ロワイヤルの灯」 「水底の光」 「闇に瞬く」 「愛人生活」 「冬の観覧車」 「ミーシャ」の六編で、全てに「光」もしくは「イルミネーション」を共通の隠し味にしている。
 
どのお話も淡々としていて、あまりインパクトが無く、なぜか印象に残るものが何も無い。
 
・・・これでは全く感想になっていないではないか。(爆)
 
「闇に輝く」で瞬いているのは蛍の光なんだけど、それを一緒に見たのは義理の姉の泉だった。
 
奈々子の兄・正一はうつ病の初期に自殺を図った。
 
奈々子の両親は早くに離婚しており、奈々子と正一を女手一つで育てた母も、もうこの世にいない。
 
奈々子と泉を繋ぐものは、もう何も無いのだ。
 
泉には新しい恋人がいて妊娠している。
 
泉は正一の存命中から恋人と付き合っていたことを告白する。
 
正一の苦しみや必死に助けを求める声に気付いていたが、その当時の泉には兄に構ってあげられるだけの心の余裕が無かったのだった。
 
結果としての正一の自殺は、泉を打ちのめすだけに充分な効力を持っていた。
 
 
私がもし、こんな告白を義姉から聞かされたら、面白くないと思う。
 
実兄が病に苦しんでいるときに別の男と不倫をし、夫が死んだ時、一旦目が覚めたとはいえ、やはりその相手とよりを戻し、子までなしている。
 
ひどい裏切りだと、許せないと思う。
 
そんな話を聞いても義姉の将来に幸あれと思える奈々子のように、心が広くあるべきなのだろうか?
イメージ 1