1950年代後半。
 
バルト海の島、ゴッドランド島の東海岸にある小さな町・スリーテが舞台。
 
十二歳の主人公・ハリーは町はずれの長屋に母親と二人で暮らす、小学六年生。
 
同じ長屋に住むハッセは祖父母に育てられている。
 
ハッセはハリーと同じ年だけど、ハリーより体格が良く喧嘩も強く、イタズラでもオシャレでもハリーより少し先を行く、大人っぽい少年だ。
 
二人は幼なじみで、いつも一緒に遊んでいた。
 
そんな二人の間に微妙な空気が漂い始めたのは、栗色の長い髪をした美少女マイが転校して来てからだ。
 
ハリーもハッセもマイのことが好きになってしまったのだ。
 
お互い、面と向かってそれを口にすることは無いが、ダンスや射的で最初はハリーが優位に立つものの、口下手で要領の悪いハリーより、社交的なハッセにマイは興味を持ち始め、ハリーは嫉妬と劣等感に苛まれてしまう。
 
また、ずっと船乗りだったと聞かされていた父親の死の真実は、ハリーを打ちのめすものであった。
 
心臓に疾患のあるマイが泳げないと知ると、ハリーとハッセはマイに泳ぎを教える。
 
二人は殆ど毎日のようにマイと遊んでいたが、警察官を父に持つマイの母親は、あまり良い行いをしていない二人のことを嫌っていて、マイの誕生パーティーにも彼らを呼ばない。
 
マイのために花火を打ち上げようとしたが、ダイナマイトが爆発し大騒ぎになってしまう・・・。
 
 
少年たちの微妙な心の動きを、とても繊細に描いた作品でした。
 
大好きなマイ、美しいマイとの、たった一度きりの夏。
 
これは作者の少年時代の体験が元になっているお話だそうです。
 
スウェーデン語で「マイ」とは「五月」を意味する単語だそうです。
 
タイトルだけ見て、日本の作家さんの本だと思ったので、いきなりハリーだのハッセだの出てきたので、ビックリしたのは私です。(* ̄∇ ̄*)>
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