山田テルコは、友人の葉子と出かけたパーティーの席で田中守(マモちゃん)と意気投合。
キスもしたし、セックスもした。
でもテルコはマモちゃんの「彼女」ではない。
「熱を出して動けない」と電話があれば、すっ飛んで行く。
「コンビニの冷凍うどんを買ってきて」と言われたけれど、鍋焼きうどんを作ってあげて、頼まれてないけど風呂掃除もしてあげた。
その晩はマモちゃんちにお泊まりする予定だったのに、テルコはマモちゃんに「帰ってくれ」と言われてしまう。
終電も無く、お金も無く・・・テルコはそんな状態でも自分の何がマモちゃんを怒らせたのかを考えながら夜の道をトボトボ歩く。
葉子に頼んで泊めてもらい、事情を話すと「ナニ、その俺様男!」と憤慨する。
しかしテルコはマモちゃんを責める気など毛頭無い。
むしろ自分のどこに非があったのかを考え、葉子がマモちゃんを誤解していることを嘆くのだ。
もともとは会社でも付き合いの悪い人間では無かったが、マモちゃんと付き合い始めてからテルコの生活はマモちゃんを中心に回るようになった。
仕事中のメール、電話は仕事よりマモちゃん優先。
マモちゃんに誘われたら、定時で無くとも化粧を整えていそいそと帰る。
朝方まで一緒に飲んだ翌日は起きられなくて遅刻。
同僚との約束も何度となくドタキャン。
そんな様子が続けば、同僚からも上司からも嫌われ、やがてクビになってもやむを得ない。
しかしテルコは、会社を辞め、自由な時間ができたことで、マモちゃんのために目一杯時間を割くことができると喜んでしまうのだ。
彼に頼まれた電気代や電話代の入金・・・自分とでは無いはずだが、家電の料金が高い。
「誰と話しているんだ?」と思いながらも、渡されたお金では足りなかったら、わざわざ銀行でおろしてまで立て替える。
仕事の面接に行く途中で用事を頼まれれば、面接を辞めて指定された店にチョコレートを買いに走る。
それが誰か他の女にプレゼントされるものであっても・・・。
いきなり呼び出され、いきなり「帰れ」と言われ、何ヶ月も音信不通になったかと思うと何事も無かったように電話が掛かってくる。
家に居るのを確認してから電話を掛けても居留守を使われてしまう。
振り回されっぱなしのテルコだが、少しもマモちゃんを悪くは思わない。
数ヶ月、音信不通の間も彼を信じて待ち続けるテルコ。
ようやく彼から誘いの電話が掛かり、大喜びで気合いを入れて出かけるものの、しらふでは会えないと一人で酒を飲む・・・しらふでは緊張しているのがマモちゃんに伝わってしまう・・・テルコなりに考えているのだ。
そんなテルコの前に現れたマモちゃんは、女連れだった・・・・。
典型的な「都合のいい女」と「俺様男」の読んでいて、イラッとくる物語。(笑)
でも好きになってしまったら、それでもいいと思ってしまうのかもしれない。
恋は盲目なのだ・・・。
それにしても、この一冊で相当量の食事とお酒が出てくる。
一緒になって飲み食いした気がして、食欲減退中ながら胸やけ致しました。うっ。。。( ̄x ̄;)