ああ・・・ついに早乙女家が崩壊の危機・・・いえいえ、悠里(天海祐希さん)の崩壊の危機です。
前回、「自分の価値を下げてまで、ゴールドを狙わなくても、選考会に間に合わない程度のケガをすればいい」なんて悪魔の囁きを神代沙織(佐藤めぐみさん)からされてしまい、迷いの中に入ってしまった洸(松坂桃李さん)は、フラフラ とバイクの前に身を投げ出しケガをしてしまいます。
宇津木(綾野剛さん)が忽然と居なくなってしまい、悠里が何か知っていると思った晶(武井咲さん)は、彼を遠ざけたのが母で、彼にお金を払ったことを知り傷心。
彼を捜しに行った先で、男に騙されレイプされそうになったところを自力で脱出。
何かが自分の中で壊れてしまった晶には、宇津木への強い愛だけが残り・・・彼と同じ場所にバタフライのタトゥーを入れてしまう。
それを見てしまった悠里は、怒りと悲しみの入り交じった切ない感情を爆発。晶の頬を平手で殴り続けるのでした。
女の子の身体は傷をつけてはいけない理由が二つある。
一つは自分のため、もう一つはやがて生まれる子供のため。
タトゥーを入れるなどファッションじゃない、自傷行為だ!!
そう叫びながら、悠里は苦しかったでしょう。
過去の兄の栄光を汚さないために大人の知恵で良かれと思って、全てを闇に葬ったはずだったのに、今を生きる娘の心と身体を代償にしてしまったのだから。
取り返しがつきません。
呆気なく晶のゴールドへの期待と夢は潰えてしまったのでした。
これまで一分の迷いも無く、早乙女の御曹司として、早乙女の期待を全て引き受けたような優等生だった洸の突然の挫折。
よく考えてみれば、伯父の故・修一(水上剣星さん)の事故死ではなく、実は自殺だった説とか、前回の沙織の言葉とか、伏線らしきものはあったけれど、でも修一の自殺については、きっぱりと母親の悠里は「知らなかった」と否定した訳で、あの美しいプールサイドの抱擁があったはずなのに、なんとも唐突な感じがしました。
事故後の取り乱しようも、悠里も初めてだったでしょうが、視聴者ももちろん初めてで、えっ・・・洸ってこんな子だったっけ!?って過去の映像を思い出さなくちゃいけないような具合でして。
「キミのせいだ!」って・・・確かに沙織は悪いこと言いましたけどね、そんな出会って間もない女の子の戯言を聞き流せないようなノミの心臓では、ケガが無くても選考会にもたどり着けないんじゃないですか?と冷たく呟く悪魔のおばちゃんがここに。
唐突と言えば、また唐突に出演者が増えましたね。
悠里の母・真理恵(倍賞美津子さん)。
早乙女家の教育方針とは全く逆の考えの持ち主とか。
意味深な登場といい、倍賞さんという存在感たっぷりの女優さんの起用といい、ここに来てこの方が端役では無いなと思わせます。
洸が退院したらパリに連れて行くなんて言ってましたけど、離婚して早乙女家から離れている祖母に、そんな権限あるのかな?
さらに唐突と言えば、クレーマー聖子(エド・はるみさん)んちを訪ねて、引きこもり暴力息子の勝(水野真典さん)に鉄拳を加えた、蓮見丈治(反町隆史さん)。
いきなり有無を言わさず殴る・・・殴る・・・殴る・・・止める聖子を突き飛ばして更に殴る・・・殴る・・・。
ナイフで抵抗しようとする勝だけど、「そんなものが無いとダメなのか!?」とか言われて殴られる。
でも最後は丈治に一発殴り返して・・・・へっ!?更正しちゃうんですか~~!?(爆)
まず、知らないおじさんが自宅にやって来た時点で、お母さんのオトコ?と疑いませんかね?
殴り合えば、気持ちが通じる?
じゃ、聖子の忍耐って何だったんでしょう?
甘やかせたからいけなかったの?
ケンカできる兄弟がいないからダメなの?
う~~ん・・・
引きこもりとか、親に暴力を振るう「キレる」子供をあまりに軽視してません?
私は産みたくても二人目が産めなかった親なので、悠里の「兄弟を作れ」は辛い言葉でしたね。
確かに殴り合ったりケンカしたりすることで、自分も痛みを知り、相手の痛みもわかるようになるというのは同感ですが、ならば兄弟ではなく、表に出して、よその子ともみ合ってみたらいいんじゃないですか?
今の世の中、子供が殴り合いのケンカなんてよその子としたら大問題になるから、悠里のセリフもあんな風になったのかな?と思いましたが、ホントに人の痛みのわかる子にしたいなら、別の環境で育った別の考えを持った仲間の中で揉めたりケンカしたり、ときに殴り合ったりするべきだと私は思います。
そして解決するのは子ども達自身。
親が口出ししちゃダメなんです・・・悠里に、そう言って欲しかったなぁ。
次回、聖子親子が仲良くご飯食べてたら、世の中引きこもり暴力息子は一掃できるかもしれません。(笑)暇なおじさん、全員集合!(違)
今回、リカ(長澤まさみさん)のメルヘン作戦は良かったです。
リカなら同じ言葉で喜ぶところも、悠里は同じ言葉で引いてしまう。(笑)
一晩かけて膨らませたリカの努力、ホントに健気です。社長ラブですね、リカ。( ̄m ̄* )ムフッ♪
ああやって何でもないことに没頭することで、悠里は一時でも救われたし、また踏み出す一歩の方向も見極めてしまった。
それは・・・廉(矢野聖人さん)を「えこひいき」すること。
家庭が崩壊しそうになったとき、母親が最後に使う最終兵器・・・それが子供への「えこひいき」。
廉に心臓疾患があることを知らない悠里は、彼だけを見つめ優しく囁くのだ。
「もう、あなたしかいない」と。
自他とも認める「世界一のマザコン」廉は、母の言葉に、その期待に応えるべく強く頷くと早乙女家へと帰って行くのです。
ああ・・・やはり亡くしてしまう子供というのは廉のことだったんでしょうか?
あの神代姉妹の姉・沙織は「私のお古で良かったら麻衣子(南沢奈央さん)にあげるわ~」なんて言ってたけど、「お古」って言うほどの付き合いしてないだろ~~と突っ込むおばさんがまたここに。(笑)
それを聞いて「いいの?」と嬉々として答える麻衣子・・・なんだよ、この姉妹まだ絡むのか?┐( -"-)┌ヤレヤレ...
麻衣子は果たして、洸を立ち直らせる幸運の女神なのでしょうか?
そして肝心なのは悠里。
壊れかけてしまっています・・・。
洸の挫折はやっぱり痛かったんですね。
なんだかんだ言っても彼を頼りにしてましたもんね。
その洸の取り乱して、まるで獣に襲われる小動物のような不甲斐ない姿は見たくなかったし、見たことを忘れたかったし、そんなことあるわけがないと思いこみたかった・・・。
心も身体も美しいビューティフル・チャイルドなんて、ホントはどこにも存在しないんだよ、悠里さん。
なぜなら子供は、発展途上なんだもの。
子育てに終わりが無いように、子供の成長にも終わりが無いんです。
私たちだって、まだ完成品では無いんですから。
早乙女の呪縛から早く解き放たれて、小さな子ども達のビデオを見ているときのような、存在しない朋(大江駿輔さん)に向けるような優しい表情を子ども達に向けて欲しいな。
悠里自身が楽になって欲しい・・・。
このドラマの言うところのゴールドというのは、オリンピックのゴールドでは無く、案外身近にあって気付かない、人がうっかり見落としている本当は大切な価値あるものなのかもしれないな~と今回なんとなく感じました。
でもやっぱ、唐突な展開と妙に増えて重要な関わりを持つ人物を追うのが大変なまとまりの無いストーリーになってるのは否めないですね。
天海さ~~ん
・・・呼んでみただけ。うふ♪