性格のまるで違う二人の女・・・二人は中学時代からの「親友」である。
 
恋をすると一直線になるくせに、相手の気持ちがこちらを向くと思いがいっぺんに冷めてしまう。
 
羊子はそんな自分は恋愛できない女では無いかと思っている。
 
一方モデルの瑠璃は、自分の容姿に自信があり、自分の思い通りに生きている。
 
恋に未熟な学生時代から、それぞれの経験を重ねて、時を経るうちに対照的ながらも自分の本当の幸せを見つけていく物語。
 
 
これは面白いです。
 
女性に特にオススメです。
 
対照的な二人が、それぞれの立場から語るような形で物語は進んでいくのですが、女性の心理が実にリアル。
 
女友達同士の嫉妬や優越感、対抗心、それからとにかく良いことも悪いことも「知りたい」と思う興味深い気持ち。
 
女性の中に眠る様々なドロドロした気持ちがいっぱい出て来ます。
 
でもそれはけして特別な二人では無くて、むしろ特別だったのは羊子が心惹かれた沢崎であったり、沢崎の店の常連の未亡人・紀和子であったり、紀和子の義理の息子・顕の方がより特別な人たちのように思えました。
 
結婚に焦った瑠璃が選んだ夫の吉村は、結婚当初の盲目の恋愛感情はどこへやら・・・ことごとく瑠璃のカンに触ることばかりしでかし、しかもひどい嫉妬深さ。
 
結婚を失敗した、離婚する!と言いつつ、なんだかんだで仲良くやっていく二人。
 
紆余曲折を経てようやく安定した生活を手に入れた羊子のもとに、再び学生の頃、とても愛した広川の存在が現れる。
 
漆職人だった彼は、羊子との別れの後、北陸に移り住み、漆器職人として名を上げていた。
 
しかし、その記事を羊子が目にしたとき、広川はこの世の人では無かった。
 
 
人生って一言で語ることはできない。
 
人の幸せの形も一通りでは無い。
 
もう駄目かもしれないという場面を何度も経験しながら、乗り越えて生きて行くのだと思う。
 
恋多き女も良いではないか。
 
恋の一つもしないでいては、勿体ないです。
 
いくつになっても、恋する気持ちは持っていたいな~と思ったりして。(^^ゞ
 
面白いので、ぜひ読んでみてください。