双子のきょうだい、陸ととうこ。
 
母は陸を連れて家を出て、とうこは父に引き取られた。
 
その父も亡くなってしまった。
 
とうこの家には親戚で家出常習犯の瑠璃がいる。
 
父の法事にこっそりやって来たという陸に、とうこはある日会いに行く。
 
一度は電話ですげなく断られたが二度目には会えた。
 
そして驚いた。
 
陸は女装をして現れたのだ。
 
それは母の願いだった。
 
本当は陸もとうこも手放したくは無かった。
 
しかし姑に「男の子を置いて行け」と言われ、反発心から陸を連れ出したものの、置いてきたとうこのことを考えない日は無かったのだ。
 
陸はときに陸であり、とうこでなければならなかった。
 
 
・・・明るいタッチの場面もあり、さすが大島さん、テンポ良く読めて、なかなか深くて面白い作品だと思いました。