奈緒(松雪泰子さん)が逮捕された。
 
葉菜(田中裕子さん)は、すべては自分が指示したことであると警察で話すが、奈緒は継美(=怜南<芦田愛菜さん)を誘拐した事実を自供する。
 
室蘭に移送される奈緒。
 
マスコミは「母親になろうとした女」と奈緒の記事を書き、テレビで報道する。
 
 
一方、道木怜南に戻った継美は、児童施設に入れられる。
 
施設の名前に「白鳥」の名前を見つけて喜ぶ怜南。
 
同じような年格好の子ども達との生活にすぐに順応していく。
 
 
奈緒を拘置所に訪ねた駿輔(山本耕史さん)に、奈緒は継美の安否を、今どうしているのか、怖い思いをしていないのか、ちゃんとご飯を食べているのか、その施設はちゃんとしたところなのかと畳みかけるように聞くが、駿輔は「鈴原継美はもういない。道木怜南だ」と現実を突きつける。
 
そして、奈緒の逮捕によって、義母・籐子(高畑淳子さん)が社長を辞任したこと、妹の果歩(倉科カナさん)が内定していた就職を取り消されたことを話す。
 
駿輔は言うのだった。
 
「あなたの罪は、道木怜南に母性を抱いたこと、母になろうとしたことだ」と。
 
 
怜南の母・仁美(尾野真千子さん)も、愛人と時を同じくして「保護責任者遺棄罪」で逮捕されてしまう。
 
逮捕されるとき、怜南の水色のマフラーに頬ずりしながら、「私を死刑にしてください」と呟く仁美。
 
 
葉菜は駿輔に、自分に何かできることは無いかと尋ねるが、彼女には前科があるため役に立てないと駿輔は説明する。
 
葉菜は過去に夫を殺して放火していたのだ。
 
 
奈緒の公判が始まる。
 
「私は母になろうと思いました」
 
奈緒はそう証言する。
 
拘置所の中でも継美の声が聞こえ、幻を見る奈緒。
 
奈緒が窓から見える月を見上げたとき、怜南も同じ月を見上げていた・・・。
 
彼女への判決は懲役一年、執行猶予三年だった。
 
法廷の傍聴席でホッとする籐子。
 
そして東京で、駿輔からの電話でそのことを知り、安堵する葉菜。
 
しかし葉菜は倒れてしまい、そのまま入院してしまう。
 
 
北海道から戻った籐子は真っ先に葉菜に報せに来るが、ちょうど居合わせた主治医の珠美(市川実和子さん)に葉菜の入院を聞いて病院に駆けつける。
 
「奈緒が帰って来たら、すぐにここへ来させるから」
 
葉菜は首を横に振って、自分の余命がもう長くないことを伝える。
 
そして、誕生日に奈緒と継美と乗った観覧車の思い出を語り、「幸せは一日で充分」と言うのだが、籐子は「娘に黙ったまま逝くなんて絶対にダメよ」と説得するのだった。
 
 
施設では怜南は日一日と明るさを取り戻し、普通の子供と同じように元気に暮らしていた。
 
その様子をこっそりとビデオに撮影する駿輔。
 
 
鈴原家に戻った奈緒を芽衣(酒井若菜さん)も果歩も温かく迎える。
 
部屋には、継美の描いた「お母さん」の絵。
 
継美が作った栞。
 
奈緒は継美を忘れることなどできないのだった。
 
 
久しぶりに携帯電話の電源を入れた奈緒は、非通知設定の着信を見て葉菜に電話をしてみるが出ない。
 
籐子から葉菜の病状を聞いた奈緒は「怖い」と言いながらも籐子に励まされ、葉菜の最期を看取るために病院へ行く。
 
何くれと世話を焼く葉菜だが、奈緒に「もう帰りなさい」と言う。
 
「夜までいる。明日も明後日も来る」
 
奈緒は「お母さん」と葉菜を呼ぶ。
 
「こっちへおいで」
 
葉菜に導かれた奈緒は、そのまま奈緒を抱きしめる。
 
「早くこうしたかった」
 
二人は抱き合って涙する。
 
 
奈緒のもとに駿輔が怜南のビデオを持って来る。
 
楽しそうに笑う姿、自分を「怜南」と呼ぶ姿・・・それは奈緒を打ちのめすのに充分だった。
 
継美はもうどこにもいないのだ・・・。
 
そう自分に言い聞かせようとしたとき、奈緒の携帯に電話が掛かる。
 
非通知設定の電話を訝しげに取る奈緒。
 
「お母さん」
 
声の主は怜南だった。
 
夜中の食堂の電話から、もう何度目かの電話をかけていたのだった。
 
やっと奈緒と繋がった喜びから、他愛の無いことを次々に話し始める怜南。
 
一つ一つに愛おしそうに相づちを打って聞く奈緒。
 
やがて怜南は「お母さん、いつになったら継美を迎えに来てくれるの?」と言い始める。
 
密かに荷物をまとめ、いつでも逃げ出せるように準備をしていた怜南・・・いや、継美はけして奈緒を忘れてなどいなかったのだ。
 
「お母さん、継美をもう一回誘拐して」
 
継美の心の叫びを聞いた奈緒は、「ごめんなさい・・・」と涙を流し続けるのだった。
 
 
 
山本耕史さんが良いセリフ連発でしたね。
 
「鈴原奈緒の罪は、道木怜南に母性を抱いたことです」という言葉には、正直打ちひしがれる思いでした。
 
なんでそれが罪なの?って、単純に思わずにはいられませんでした。
 
死にかけていた子供を保護して、我が子にしようとしたことが罪だなんて。
 
まったく世の中、何かおかしいよ!!って叫びたくなりました。
 
正直、怜南が児童施設で活き活きと過ごしているシーンは辛かったです。
 
子供って・・・順応するのも早いし、忘れるのも早いしな・・・なんて。
 
でもそうじゃなかった。
 
小さくなった靴をあっさり履き替えたときはショックを受けたけれど、奈緒が買ってくれた靴を大事にリュックに入れる姿を見たとき、ああ、この子は忘れてなんかいないんだと思いました。
 
子供があれほど求めている「母親」が母親と認められず、一緒に居られないなんて、やっぱり何かおかしい。
 
奈緒と葉菜の仲は、もう少しこじれたまま引っぱるかと思ったら違いましたね。
 
奈緒もまた子供を手放し、身を裂かれるような思いを体験したことは大きかったでしょうね。
 
いつも葉菜は奈緒と継美の味方でしたし。
 
次回最終回、どんな着地点にたどり着くのか・・・何はともあれ、継美にとってのハッピーエンドであって欲しいと思います。