第一話は、虐待のシーンの印象が強烈で、あまりストーリーに触れなかったのですが、二話になってようやく心を落ち着けて見ることができました。
前回、母親とその愛人によるひどい虐待を受けていた怜南(芦田愛菜さん=子役)を誘拐という形で連れ出した奈緒(松雪泰子さん)。
二人は寝台列車で東京を目指していた。
怜南には「継美(つぐみ)」という新しい名前を名乗らせ、奈緒は「お母さん」になった。
偽装のために怜南が海に落ちたと見せかけていたため、新聞でそのニュースを読むと、追っ手の不安に駆られて途中下車してしまう。
しかし駅で継美のトイレに付き添った際に盗難に遭い、所持金を無くし、途方に暮れた奈緒は、かつて自分が預けられていた、児童養護施設「ももの家」を訪ねるが、施設は人気が無く、寂れていた。
広い庭のブランコにぽつんと腰掛けた、かつての養母・桃子さん(高田敏江さん)は、すっかり年老いて痴呆の兆しを見せている。
桃子さんにすっかり懐いた継美と、その日はそこに泊まらせてもらうことに。
テレビのニュースで自分の捜索が行われる様子を見ている継美。
「帰りを待って祈っている」と報じられ、ちらりと映る母親の姿を見る。
「ママに会いたい?」
「・・・・・・」
「我慢しなくていいのよ」
奈緒の問いかけに「怜南ちゃんのママは、怜南ちゃんの帰りを待ってなんかいない。祈ってもいない」と言う。
「捨てたのは怜南の方なのだ」と言う継美の小さな身体を奈緒はぎゅっと抱きしめた。
その夜、奈緒はももこさんが書いた日記を見つける。
「奈緒は『私はお母さんにはならない』と言う。何もしてあげられないのか」
奈緒は遠い昔、子供が可哀想だから、私はお母さんにはならないのだと幼い心に誓っていたのだ。
自分はお母さんに捨てられた子供だから。
自分が味わった悲しみを子供に味わわせたくない。
小さな奈緒はそう思っていたのだ。
一方、雑誌記者の藤吉(山本耕史さん)は、怜南の海難事故を周囲とは違う目で見ていた。
ちょうど怜南の小学校を訪ねたときに、奈緒の消息を訪ねて同じくやって来た、奈緒の妹・果歩(倉科カナさん)と耕平(川村陽介さん)と知り合う。
藤吉は怜南の母親が娘が行方不明になっているにも関わらず、男のところへ通う姿をカメラに納める。
一夜明け、桃子さんと花畑に嬉しそうに出かけて行く継美。
一人家に残っていた奈緒は、訪ねて来た警官にこの家の借地権が切れ、間もなく人手に渡ってしまうことを知り、荷物をまとめて出て行こうとするが、継美が断固として「桃子さんも一緒じゃなきゃイヤだ」と言い張る。
「私たちは逃げてるの。ももこさんを連れて行けるわけ無いでしょう」
すると、継美は突然表情を変え、奈緒を「お母さん」では無く「先生」と呼ぶ。
継美は桃子さんと二人で残ると言うのだ。
「我慢しなくていいから、私を置いて行っていいよ」
桃子さんは、継美の靴が足に合っていないことに気付いていた。
彼女は自分が我が子のように育てた子供たちのことを、よく記憶していた。
奈緒がたくさん我慢をしていたことも覚えていた。
靴のサイズが合わないことを自分に訴えない継美の気持ちがわからない奈緒に、桃子さんは「あなたはどうだった?」と問いかける。
・・・我慢した・・・また捨てられるのが怖いから。
一度捨てられた悲しみを知った子供は、また捨てられることの無いように我慢するすべを覚えるのだ。
新しい靴を買い、花畑で無心に菜の花を摘む継美の元へ行くが、継美は他人行儀なままだ。
そして菜の花をたくさん摘んで施設の庭を花畑にして、花屋さんになって桃子さんと暮らして行くと言う。
奈緒は「桃子さんも連れて行こう」と継美に言う。
捨てられた悲しみを知る継美は、絶対に自分の味わった悲しみを他の誰かに味わわせない。
それは奈緒が一番わかっていることだった。
二人が施設に戻ると、家の外にケアハウスの車が。
桃子さんを連れて行こうとしているところだった。
そっと身を隠すしかない二人。
物音に二人の存在に気付いた桃子さんは、誰もいない(ように見せかけている)部屋に向かって叫ぶ。
「ありがとう!ありがとう!ありがとう!」
会いに来てくれて、ありがとう。
一緒に遊んでくれて、ありがとう。
元気でいてくれて、ありがとう。
お母さんにならないと決めていたあなたが、お母さんになってくれて、ありがとう・・・・
一方で奈緒の実家では、母親の籐子(高畑淳子さん)と妹の芽衣(酒井若菜さん)が奈緒の行方を案じていた。
芽衣は「室蘭で教師をしている」と婚約者の両親に話しているため、結婚を控えた今、姉の消息不明は迷惑な問題だった。
二人が知っているのは奈緒が東京行きの電車に乗ったところを目撃されているということだけ。
とっくに連絡があるなり、帰って来るなりしてもいいはずだ。
友達付き合いも無いという奈緒の「行く先なんて家しかないのにね」という芽衣の言葉に、籐子は思い当たる行き先を思い出した。
小さな理髪店を営む望月葉菜(田中裕子さん)と会った籐子は、「奈緒のことはあなたと私だけの秘密。妹たちも実の姉と信じている。会ったり連絡を取り合ったりしないで」と釘を刺す。
葉菜は「もちろんです」と恐縮する。
しかし葉菜は心配で、つい持ってきてしまった新聞記事を差し出す。
三十代の女性の身元不明遺体。
「奈緒が電車に乗るところを見た人がいるのよ」と籐子は笑い飛ばす。
東京に来て籐子に「今から行きます」と電話をかけた奈緒は、継美を玩具店で待たせて歩き出す。
奇しくも歩道橋の上で偶然すれ違う、奈緒と葉菜。
お互いに気付かず通り過ぎて行くが、遠く離れて奈緒の姿を見つめる葉菜は、その無事な姿に安堵するのだった。
そのとき「おかーさーん!」と叫ぶ継美の声が。
声に振り向いて、笑顔で大きく手を振り返す奈緒。
「おかーさーん!」
満面の笑顔で手をちぎれんばかりに振る小さな少女を見て葉菜は驚くのだった。
ようやく人物関係が明確になって来たような。←σ(o^_^o)が遅いだけ?
どうやら訳ありな奈緒の過去が少しずつ見えて来ましたね。
奈緒は葉菜が産んだ子で、何らかの事情で施設に預け、鈴原家の養女になったようです。
問題は、どうして葉菜が奈緒を手放さなければならなくなったのか。
まるで人目を避けるように、世間にまで恐縮しているような、地味で飾りっけの無い葉菜。
病院で検査をしていたのは、何か病気の予兆でしょうか?
余命わずかとか言うベタな展開はやめて欲しいですが。(^^ゞ
娘の行方がわからなくなると、いけないと思いながらも最悪の事態を考えて心配し過ぎてしまう、新聞記事のエピソードも、ああ、離れていても案じている母の思いを上手く演出してるなぁと感心。
対称的に籐子は綺麗だしお洒落だし自信に溢れている感じ。
葉菜に威圧的な態度なのは、どういう気持ちからなのか?
子供がなかなか出来なかったから、施設から養女を貰ったら、続けて子供が生まれちゃった・・・ってな話なのでしょうか?
奈緒の過去はまだまだ奥が深そうです。
あと、奈緒が施設で見つけた自分の名を書いた箱の中身。
最初に他の子の箱を開けてしまったのは、いきなり何が入っているのか知る衝撃を怖がってしまったからでしょう。細かい演出でしたね。
最初に開けた箱には母子手帳が入っていたけれど、奈緒の箱の中には一度折ってまた広げたようなくしゃくしゃの折り目の付いた白い紙が出てきました。
これ、何を意味してるんでしょう?
そして今回も五歳には見えるけど、五歳の子とは思えない演技で唸らせてくれた七歳の設定の継美。
子供だからって舐めちゃいけない。
子供には子供の生きる道があるのです。
捨てられた痛みを知るからこそ、奈緒と別れることになっても桃子さんを捨てはしない。
ちゃんと生きるすべも考えてました。
七歳なりの精一杯のオトナの知恵だったのです。
悲しい思いをしたから、奈緒にうんと甘えて可愛がって貰っていいのに、悲しい思いをもう二度としたくないから、自分を守るすべも知っている。
我慢すること・・・・。
守ってもらうことをただ望むのでは無く、守ってもらうために自分を守る・・・悲しいほど健気です。
奈緒と継美が抱き合ったとき、奈緒も継美に抱きしめられていたし、継美も奈緒に抱きしめられていました。
二人にとってずっとずっと渇望し続けていた温もりだと思いました。
ハグって大事ですね。(笑)
次回も見るぞー!!
「臨場」と「アイリス」のレビューをどうしようか思案中。
なんか忙しいな。(* ̄∇ ̄*)>
どんだけテレビやねんって
