川は静かに蕩々と流れている。

水面に太陽の光が輝き、水鳥が戯れ、時おり魚が飛び跳ねる。

のどかな景色は人の心を和ませる。


誰が知るだろう?

川の生まれた場所を。

川の歩んで来た道を。

川の揺らぎを、うねりを。

その深さを。


雑踏を歩く人波は、皆同じようで皆違う。

それは表面だけは静かに流れる川と同じなのかもしれない。