「かまいたち」「師走の客」「迷い鳩」「騒ぐ刀」の四編。
時代小説は久しぶりです。
「かまいたち」
江戸は八代将軍・徳川吉宗の時代。
大岡越前守忠相が南町奉行の職に就き、それまでの非能率・不公平な弛緩しきった奉行所・評定所を根本から立て直すための様々な改革を行い始めていた。
治世が良くなる一方で、大岡に反感を持つ者も少なからず居た。
そんなころ、江戸の民衆を震撼させる辻斬り事件が相次いで起こる。
その手口は残虐をきわめ、人々はその恐ろしい辻斬りを「かまいたち」と呼び、陽が落ちてからの外出を極力控え、怯えきっていた。
おようは町医者・新野玄庵の娘である。
玄庵は急病人やケガ人と聞けばどこにでも駆けつける。
薬料を貰えないことも多々あるが、そんなことも厭わない。
ある日、夜半に急病人が出たと使いが来て玄庵は迎えの男と一緒に出かけていく。
辻斬り事件で騒がしい折りでもあり、おようは帰りの遅い玄庵の身を案じて迎えに出る。
そこで偶然、辻斬り事件を目撃してしまう。
自分も斬られると覚悟するも、犯人は顔を見られたにも関わらず、おようを斬らずに逃げ去っていく。
おようは番屋に届けるが、不思議なことに死体が消えていた。
確かに見たと何度も訴えるも相手にしてもらえず、おようは嘘つき呼ばわりまでされてしまう。
そんなとき、おようの長屋の向かいに若い男が引っ越してくる。
その顔を見て、おようは驚愕する。
辻斬りの男だったのだ。
誰も信じてくれない辻斬り事件、嘘つきと思われたままでは悔しいと思うおように、思わぬ味方が現れる。
平太という若い駕籠かきだ。
平太の力を借り、向かいの男が辻斬りである証拠を掴もうと、どんなに怖い目に遭おうと向かいの男に脅されようと、己の信念を曲げることなく事件に挑み続ける。
そこには意外な結末が待っていたのだった・・・。
「師走の客」
千住上宿にある梅屋は夫婦二人で商っている小さな宿ながら、正直な地味な商売をしていた。
主の名が竹蔵、子供が松吉、女房がお里。
そして店の名が梅屋で「松竹梅の里」と縁起が良いのと、飯が旨いのが人気を呼んで、国中のあちこちを流れ歩いている舌の肥えた行商人たちがわざわざ泊まって行くのである。
そんな梅屋を気に入って、師走になると毎年現れる客があった。
その常二郎という男はあるとき主人に「うまい話」を持ちかける。
それはここに毎年素晴らしい金細工の来年の干支を置いていく。それは将軍様や伊達様が集めているもので、毎年一つずつ違う職人が作るもの。十二支が揃えば百両にもなろうかという品である。
それを宿賃代わりにしてくれまいか・・・というものだ。
半信半疑ながらも承諾する竹蔵。
最初はその品を目利きしてもらっていたが、何年か続くうちにすっかり常二郎を信用するようになる。
しかし一つだけ不思議なことに、蔵に納めるのだけは常二郎の手によるものだった。
さて年月を重ねて最初に受け取った子年から、次は蛇の年になっていた。
蛇の置物を持ってきた常二郎、困ったことが起きたと話し始める。
蛇がとぐろを巻いたその細工ばかりは他と違って大きいのだ。
これでは宿賃と引き換えでは常二郎の損が大きすぎる。
そこで今回ばかりは足りない分の金を払って欲しいと言うのである。
その金額なんと十両。
とんでもない話だが、十二支の一つでも欠けたら全ての価値を失うかもしれない。
仕方なく竹蔵は十両を払うのである。
しかし、その蛇を目利きしてもらうと、これが真っ赤なまがい物。
その上、これまで置いて行ったものも全て偽物だったのだ。
どおりで蔵に納めるときだけは「自分の手で」とさも泥棒の目を警戒したように言って譲らない訳である。
そのときにすり替えていたのだ。
「してやられた!」
そう気付いたときはもう遅く、常二郎は姿をくらましてしまっていた。
ところがどっこい、ひょんなとこから本物の蛇の置物が出てくるのである。
きっと慌てているのは常二郎に違いない。
「迷い鳩」
日本橋通町に「姉妹屋」という一膳飯屋がある。
お初と兄嫁のおよしの二人で商っている。
ある日、お初が店周りの掃除をしていると商家のお内儀が供を連れて通りかかる。
お初はそのお内儀の袖にべっとりと付いた血を見て驚いて声をかける。
しかしその血はお初以外の者には見えておらず、逆にスリの疑いまでかけられる始末。
偶然通りかかった侍のおかげで助かるものの、お初ははっきりと見た滴り落ちるほどの大量の血のことが気になってしまう。
他の誰にも見えていなかったのだから、もしかしたら見間違いだったのかもしれない。
後から、さっきのお内儀が柏屋の女主人・お清であったことがわかる。
柏屋の方から、昼間供をしていた手代の男・誠太郎がやって来て、詫びの酒樽と菓子折を持って来たのだ。
昼間の騒ぎを見た者から、お初の兄が六蔵という十手持ちだと聞いたからだった。
お初は六蔵から大目玉を食らってしまうも、酒樽の酒が血に見えてしまい驚愕する。
通町でも古株の老舗、柏屋のお清は先代の一人娘で、婿の宇三郎は原因不明の病に倒れて寝たきりになっている。
その病が人に伝染ると噂が立つと、宇三郎の世話をする女中が逃げ出して行くという。
そしてまた、柏屋からおつねという女中が出奔してしまった。
お初には聞こえた。
酒樽から血がこぼれるとき、はっきりと「人殺し!」と叫ぶ声が。
それから間もなくして、六蔵のもとへ身元不明の土左衛門が上がったと知らせがくる。
調べでその死体は圭太という男で胸を病んで、働いていた桶屋に暇をもらって田舎に帰っていたものらしい。
どうしてまた江戸に舞い戻って来たのか・・・。
調べていくうちに圭太が鳩を飼っていたことがわかる。目印に足に赤い糸を付けていた。
お初は自分が見たものの正体を知りたくて、一人こっそり柏屋を訪ねてみる。
それとなく探りを入れるうちに、お初は柏屋の家の中でまたしても血塗られた幻を見てしまう。
死んでいたのはおつね。
おつねは殺されているに違いない。
何かしらの確信を持って柏屋を探ったお初は、お燈明を灯さずに仏壇でおつとめするお清の姿に違和感を持つ。
その仏間こそ、お初が柏屋で見た幻の中に出てきた光景だったのだ。
お初の話を聞いて、次兄の直次が柏屋に探りをいれる。
直次も表向きは庭師だが、下っぴきのような仕事をやっている。
直次の調べで、柏屋の仏壇のろうそくには砒毒が仕込まれており、朝晩のおつとめを欠かさなかった柏屋の宇三郎はその毒にあたって病になっていたのだ。
お清がおつとめの間、ろうそくを灯さないのは毒が仕込んであるからだ。
そしてその事実を知ったおつねは殺され、おつねと鳩を使って連絡を取り合っていた圭太もまた、おつねの行方を捜すためにお上に届けると言ったために殺された。
手を下したのは手代の誠太郎。
宇三郎に毒を盛ったのは誠太郎にそそのかされてのお清の犯行だった。
それにしても不思議なのは何故誰にも見えないものがお初の目には見え、聞こえぬ声が聞こえるのか。
不思議な現象ではあるが、お初に初めて月のさわりがあってから授かった力らしい。
「騒ぐ刀」
またまた大活躍するのは姉妹屋のお初と兄の六蔵と直次。
今回のお話は、ある男女の三角関係が産んでしまった妖刀が繰り広げる悲劇。
・・・・そろそろあらすじを書くのがめんどくさくなっているワタシ。(爆)
読むのにも疲れたでしょ?アナタ。←なんとなく同意を求めてたり
もう書くのやめます、読むのも大変だから。←責任転嫁
感想・・・おもしろかった。←一言
興味ある人はぜひ読んでください。←投げやり
でもホントはこのお話が一番興味深く読んだんだけどね。←若干未練
手が疲れた・・・←運動不足
なので、ここでやめにします。←あっさり
本のレビューとしても大失敗。←ダメ宣言
(w_-; ウゥ・・←自己嫌悪
ま、いっか(ノ`´)ノミ┻┻ ←開き直り
εεεεεヾ(*´ー`)ノトンズラッ ←結局逃亡(爆)