叔父が倒れて入院したと聞いて数日目。

母から電話がかかり、どうも具合が良くないと知る。

チューブだらけの叔父。

「生きている」とは、もはや言えない状態。

もう誰もが諦め、「その瞬間」を待っている。


・・・変な気分。


私は一旦自宅に戻っているが、今日か明日には・・・という状態。

次の知らせは間違い無く、不幸の報せ。

嫌な気分。


この年になると毎年のように、誰かが逝く。

年齢順なら「仕方ない」とも思えるが、なぜか若い人があっさり逝く。

待つ時間の無かったのも辛かったが、ただその時がくるのを待っているのも変なものだ。


叔父と言っても私には殆ど馴染みの無い人。

どちらかと言うと・・・好きではないと言うより、大嫌いだった叔父。

それでもやっぱり死んでしまうより、会わなくてもどこかで生きていてくれる方がいい。

いなくなるより、いた方がいい。

私と接触は無いと思うが。


向こうに行けば、先に逝った父が待っているだろう。

兄弟思いだった父は「なんでお前が来たんか?順番間違えてるぞ」と怒るだろう。

そして涙もろい父は「急ぐな、バカが」とぼろぼろ泣くだろう。

たくさんいる兄弟の中で、先頭を切って逝ってしまった父。

一番下の弟がそばに来たら、寂しくないだろうか?

いや、父のことだから、残された家族のことを思って「バカが」って泣くだろう。

自分は家族に何の覚悟をさせる間も無く、さっさと旅立って行ったくせに。


おじさん、あっちに行ったらお父さんに伝えてください。

「このバカが」って。

そしてバカ同士、どうか安らかにお休みください。

こっちの世界で、のんびりできなかった分も。


長い間、お疲れ様でした。