ちょっと不思議なお話。

人里離れた山の中。庵のおんば様。美しい少女・茅。
崖の上の祠。鈴ならし?預かり子?

悟は庵にいた記憶は無い。
母が昔、いたことがあるらしい。

母の園子は蒸発した夫が送って来た離婚届に、判を押すことも届け出することもできずにいる。

17歳の悟は家で父が母を殴る姿を見てカッとなり、父を殴ったことは覚えているが、その後忽然と父が姿を消した。

もしかして、母が父を殺したのではないか?とまで思っていた。

しかし、そんなことは無く、父はどこかで生きているらしい。
それなら、と悟は母に離婚を勧める。

「幸せじゃなくちゃいけないなんて、オレはすっげぇ傲慢だと思うよ」

勝てなくても、悔しくても、幸せじゃなくても、悲しくても

それさえ忘れなければ、きっと大丈夫。

悟はとても思慮深い子だと思いました。

息子にハンデを背負わせてしまうことや、息子の親権を自分が持つことで、息子が幸せになれないかもしれないと思いやる母に対して、悟が言った言葉↑↑↑にとても感心した。

あと、真と悟の友情、茅が意外に大人だったこと、真の父親の偏見・・・・。

いっぱい感激どころのある作品でした。