今日は「図書室」で底無しの孤独のことを書いたので、孤独つながりで。

ミュージカル「エリザベート」の中に「魂の自由」という場面があります。

皇后エリザベートが病院訪問をした際に、精神を病んだ少女と出会います。

少女は「自分こそが皇后エリザベートである。その女を連れ出して!」と叫ぶのです。

エリザベートは彼女を抱き締め語ります。

「代われるものなら代わってあげましょう、私のこの孤独に耐えられるのなら。
あなたの魂は自由です。私の魂はどんなに放浪の旅を続けようと、皇后の立場に束縛されたままなのに」

贅沢を持て余し、美貌にも恵まれ、ハンガリー・オーストリアの女王でありながら

自由を愛し、奔放に生きたいと願い続けていたエリザベート。

「隣の芝生は青い」と言いますが、「これ以上の幸せは無いでしょう?」と

誰からも思われていたでしょうね。

彼女を悲劇のヒロインとして語るなら、テロリストの手で暗殺された最期と皇太子ルドルフの情死くらい?

誰も他人の心の闇にまで目を向けないものだもん。

虐げられていた民衆の方に、もしかしたら心が満たされていた人がいたかもしれない。

貧しさの中で心まで満たされる方が大変だけど。

でもね、「可哀想」って同情して欲しいときってあると思う。

「可哀想」って慰めて欲しいときってあると思う。

見た目だけで「あなた幸せでしょ」って判断されるのって辛いと思う。

「辛い」って言っても「どこが!?」って言われると、もっと辛いと思う・・・。

誰にもわかってもらえないのは孤独だと思う。