著者の方がホストの経験のある方なんですね。
ホストや風俗嬢を描いた短編4作品。

田舎から出て来てホストになった同級生の男二人が、ある日街で拾った家出娘を「飼う」ことにした。
「ドール」。

年増の客に高級スポーツカーを買い与えられ、東京~名古屋間を送迎することになるホストの話。
「定期便」。

女同士の諍いから付き合い始めた二人はやがて本気に愛し合うようになる。
でも女は、風俗嬢を辞めると同時にすべてのものを捨て去ろうとする。
愛した男さえも。
「愛のカタチ」。

一緒に死のうと決めたその日から、ホストと風俗嬢は本当に生き始める。
人生最後の日々を目一杯楽しく過ごそうと・・・。
「顔のない街」。

ホストクラブなんてもんのない街に住んでいるワタシです。(笑)

ホストも風俗嬢も、ピンと来ないんですよね。
でもすごく人間臭い。
哲学的な言葉を吐く同じ口で、心にもないウソをつく。
お金はいっぱい持ってるけど、心は少しも満たされていなくて退廃的。
天国と地獄が同時進行してるような・・・。

ワタシは「顔のない街」が好きですね。
死ぬためにお金を貯めて、お金が無くなったときを死ぬときと決める。
どうせ死んだら何も残らないんだから・・・と、身一つで旅に出る・・・はずが
「もったいないから」なんて理由で服や下着を持ち出したり、どうせ死ぬのに
避妊しなきゃいけないかな?なんて悩むヒロインがとっても可愛い。