孵し啼き声鳴き声哭き声
鼓動は動き出す
震える聲で静に詠う
地に繋がれし謳い言葉
壱つ元に綴る
弐つ元に縋る
参つ元に還る
四つ元に参る
五つ元に坐る
繰り返す振替り
また繰り返す
篩いに掛けし砂に
篩いに掛けし岩に
篩いに掛けし狛に
気付かぬ声に届く事なく
届く声に注し伸ばす
その手へは水の滴りを
忘れ却し者の奮いに掛けられ
鍵の在りか無しか証失う
開けられし蓋は閉ざすことなく
入り口に立ち待ち人
次の蓋の鍵を開け放つ
旅立つ鍵
開けられし蓋の鎖
その場に舞踊る
綴られる言葉が始まり
次の始まりが詠い出す
その足音より
始まりの者達は詠い出す
壱つを始まり
弐つを始まり
参つを始まり
四つを始まり
五つを始まり
全てが始まる刻より
鎖の鼓動は詠い出す
洸望むことなく降り注ぐ
洸望むことなく流れ出す
洸望むことなく駆け巡る
全てのうたいに始まりの言葉より記せし古の
否するなく
疑するなく
謎するなく
定するなく
理すること
断するなく
繋げし詞に意味あり
逸らさず繋げ
紡がれし木々は止めることなく
覆い被さり史を時より紡ぎゆく