いつのまにか幾星霜の時間が経った
星の数ほどではないけれど
風の雫が掌を伝っていく
あぁ、自然が歌っている
風の歌
雨の歌
水の歌
滝の歌
いつも自然は演奏している
指揮者は二人
観客は幾星霜
朝の指揮者は太陽
宵の指揮者は宵月
虚構の音鳴らずとも
現世の音は響いている
さぁ、音に耳を傾けてみよう
さぁ、流れにイメージを流してみよう
さぁ、イメージを音符の船に乗せて
それらを1つの自然な音に合わせてみよう
拘りはいらない
ただ、感じるだけでよいのだから
慌てなくても自分の音はすぐ近くに
そして楽譜が必要になるけれど
そんなものはいらない
楽譜こそが自分自身なのだから
指揮者も自分だ
自然が楽器だ
自分の歌を自然と共に奏でよう
地球の指揮者は太陽と月
自分の指揮者は自分
作曲してくれるのは人生
歌いだそう
声に出しても良い
指揮者の真似をするのも良い
人目のつかない場所でもいい
自分の音楽を自然を使って奏でてみよう
幾星霜の星と
数多ある自然が
指揮者を待っている
その掌に風の雫が伝わっているのなら
自然は気まぐれだけれども
どちらも生きている
もう楽譜のページは開かれている