空を見上げた


夏に近づく空を


何も拘ることなく見続けた


蒼く広い天井に


広い天井に雲が貼りついていた


雲は天井を彩る色


宙を映す光は色を変えた


いつのまにか蒼い天井は


紅い天井に変わっていた


映ている彩が変わると


色を失くした風景に更に色がつく


求めるものは穹にはない


拘りなく穹へ手を伸ばしてみた


蒼い天井に手は届くことはなくても


その手は天井に届いている


無駄な考えは捨てた


色が無ければつければいい


届かなければ届けばいい


拘りは持って


拘りは捨てて


拘りは拾って


繰り返すのは空に広がる雲と同じだから


思う事は口に出さなくても


いつのまにか流れて消えている


そのひとときに息吹を


そのひとときに呼吸を


そのひとときに癒しを


風が様々なものを運ぶように


時が様々なものを紡ぐように


次は蒼い天井のしたで


カップの中に空を映しながら


心静かに穏やかに


そのひとときに・・・