水面に漂う黒曜石に
雫一つ流れ出る
落ちし宴の盃へ
深く
浅く
静に
器に伝うが如く
混ざりゆく
静に揺れゆく雫
器に溜まり
深き黒曜石に泉へ
白き月
赤き月
葉脈になぞるように
映りゆく
移りゆく
写りゆく
季節が如く
器に在る雫が消え行くように
宴に在る黒曜石の泉もまた
月の光と共に
静に砂が溶けていくように
空を仰ぎし器
寂しく宴の跡に
光を遺し
雫に濡れる時を待つ