人こそ謎にして深淵の深き溝


生まれゆく心淵にして壁


社の森に濡れゆく


濡れし壁に基下へ溝を沈む


理に虚を雑ぜ深淵に望む


その壁より溝に飲まれゆく


幾星霜へ時にその鉤にて啓かれる


その深淵に眠りしは価せず本能


心を鉤より繋がり闇となる


詠い謡い謳い唄い歌い


連なりし言葉と共に知らず能への歓喜


氷壊の心へ壊れゆく血筋


封を鉤に変わりし鍵へと鋳鉄


されば堕ちし心へ鍵と封


歓喜へ呑まれし時


その闇こそ溢れだす


心に沈む詠いこそ己が深淵と知れ