適当な詩 2寒く静かな夜 月が出ている雲はなし 今宵は酒の肴にして とっくりと御猪口を出して 湯で温め口にそっと入れる 吐息が白い露となって零れた 肴相手に盃交わすも何もしゃべらず 静かに淡い光を着ている この夜が終わると日が入る 今宵の月とはまた違う夜と出会う 肴相手にもうひとつ手間を掛けよう つまみと秘蔵の一杯で 肌寒い体を温めよう 淡い光が盃の中で静かに頷いた