じゃあおでんは鍋物か、となったら、渋い答えを用意せざるをえない。たとえおでんが好きだとしても。
そもそもおでんはご飯のおかずなのか、という点が議論されるだろう。だしをたっぷり含んで黄金色に輝く大根を箸で割り辛子を多めにつけてパクリ。「うわ、鼻が」とか言いながら燗酒をクピリとやるのはいいものだ。
個人的には上品ではないほど煮込まれて茶色くなり少し崩れているような大根も好きだ。やはりたっぷり目の辛子で食べたい。滑らかな舌触りの厚揚げもうまいが、スがたってしまったような厚揚げも嫌じゃない。牛筋もアキレス腱も食べたい。
それぞれ酒にあうが、我が家では白飯にあわせる。こんにゃくもしらたきも大根も厚揚げも玉子も、だしのうまさと合わさって飯がすすむと思う。やっぱり辛子多めで。
で、家庭でおでんを出すとき鍋ごとテーブルに出すのか、という点が次に議論されるかもしれない。鍋ごと出さなければ日本の鍋料理とは言い難い。土鍋を使わないとダメかという問題もある。家庭ではおでんは土鍋で作るのが一般的か、それとも金属製の鍋か、それとも作らず買われるものなのか。
おでんが鍋かは結論を出さずに置いておいて、とりあえず今日、風が冷たい一日の締めくくりに暖かいおでんはよかった。これから食卓には鍋物が増えていくのだろう。先日までは秋を探していたのに、もう冬の気配が忍び寄って、鍋好きとしてはワクワクしてきた今日この頃なのさ。