もう手の施しようがない
今夜にでも命を落とすかもしれない
と、死刑宣告のようなものを受けた生後3ヶ月の息子。
一晩中全く眠れず、ひたすら泣いていた私の元へ、朝一番で電話があった。
小児医療センターからだ。
怖い。どうしよう。でも出なきゃ…。
「もしもし…」
「小児医療センターのYです。突然ですが、シンくんを国立医療センターに搬送します。肝臓移植を視野に入れるためです。昼には準備が整います」
肝臓移植……!?
考えたこともなかった。
でも、もしも移植で助かるなら!私の肝臓が適合するなら!!
私の命ごと全部あげるから、どうか息子を助けてください…!!!!!
昼が待ちきれず、夫と共に早々に小児医療センターに向かった。
ICUの入口で息子を待っていると、ここに着いてからずっと(と言っても一晩)担当してくれていたY先生がエレベーターを降りてこちらへやってきた。
「シンくん、今から移動ですね。どうぞお気を付けて…」
それだけ言うとまたエレベーターに乗って戻って行った。
たったそれだけのために、私たちに挨拶をするためだけにY先生はここに来てくれたんだ、と思って胸が熱くなる。
看護師さんもみんな優しい人たちで、この病院でこのまま治療できたら良かったのにな…
息子は全身管に繋がれたまま、ドクターカーに乗せられて、次の病院…国立医療センターまで運ばれていき、私と夫はすぐにその後を自家用車で追った。
サイレンを鳴らしながら走るドクターカーに追いつけるはずもなく、ドクターカーより20分ほど遅れて、国立医療センターに到着した。